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ホワイトスペース特区全国展開推進会議,25件を決定

総務省のホワイトスペース推進会議(会長・土居範久中央大学教授)は2011年4月8日,「ホワイトスペース」全国展開にあたり,44件の提案のなかから25件を選定した。

「ホワイトスペース」は,他の無線システムのために割り当てられているが,時間や地域など限定条件のもとで他の目的にも利用可能な周波数のことで,総務省は10年8月に「ホワイトスペース」を利用して狭いエリアを対象に魅力ある街づくりや災害報道などの情報発信を行う「ホワイトスペース特区」として,NHKのワンセグを活用した被災地情報の発信など10事業体の11事業を指定してスタートさせた。

さらに,10年9月に「特区」の全国展開を決め,企業や地方公共団体などに提案を呼びかけた。今回の25件はこの提案募集に応募した事業者のなかから同推進会議が選定したもので,放送局関係では,エフエム京都,JMデジタルメディア(エフエム東京系),中海テレビ(米子・鳥取),テレビ神奈川,毎日放送(大阪)などが,実証実験を行うこととなった。

このうちテレビ神奈川は,横浜市西区の「みなとみらい地区」で,新型コミュニティマルチキャスト放送を活用して,「カレッジ・ワンセグ」放送局を立ち上げることにしている。

同推進会議では3月に発生した東日本大震災を受けて,事業の推進にあたっては,「震災など非常時における緊急情報等の配信についても,できる限り,実証を行い,その情報提供の在り方等について検証を行うこと」などの条件をつけた。

奥田良胤