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若者のラジオ離れ,受信環境整備NHKと民放連,共同で取組み

NHKと日本民間放送連盟(民放連)が,ラジオの環境改善について2010年7月8日,当面の対策を発表した。

ラジオは,若者のラジオ離れがすすんでいるうえ,受信環境の悪化など厳しい環境におかれている。このため,NHKと民放連が共同で対策を考えようと,2010年2月に「音声メディアの将来に関する意見交換会」を設置して協議し,対策の中間取りまとめを行った。

それによると,NHKと民放連は,「若者を中心とするラジオ離れ」「端末普及を含む送受信環境整備」「地域の安心安全に向けた災害時の放送対応」「デジタル環境の中での新たなサービス」の4点を共通課題として対応することとし,このうち「若者を中心とするラジオ離れ」と「端末普及を含む送受信環境整備」を喫緊の課題として捉え,「できることから共同で取り組む」ことで基本合意した。NHKと民放連が,厳しいラジオ環境について認識を共有し,共同で対策を打ち出したのは初めてのことである。

具体的には,若者対策については,共催でラジオイベント等を実施する,ネットコンテンツを活用して若者にラジオをアピールする,などを検討することにしている。また,送受信環境整備については,受信機対応でメーカーと情報を共有する,受信改善に関する情報を共有する,などを検討することにしている。

地上波テレビがデジタル化されたあとのVHF-LOW 帯の「ハードの規模感」等については,議論を継続することにしている。

奥田良胤