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NHK-BS デジタル放送再編 ハイビジョン2波化へ

2010年1月13日の電波監理審議会で,NHKの衛星放送に関する放送普及基本計画の見直し案を適当とする答申が出され,NHKの衛星放送の再編が決まった。

基本計画の見直しでは,①現在標準放送のBS1,2とハイビジョン放送のBShiの3波体制から,ハイビジョンによる「新BS1」と「新BS2」の2波に,2011年7月24日の完全デジタル移行に先立って再編,②BSアナログでは完全デジタル移行による廃止まで,サイマル放送を行う,③「新BS1」は「衛星系の広域性,経済性,大容量性および高品質性を生かした情報の提供を行う総合放送」,「新BS2」は「外部の事業者の企画・制作能力を放送番組に活用し,過去の優れた文化の保存ならびに新たな文化の育成および普及を促進することを目的とする総合放送」とする,④地上デジタル放送の衛星利用による難視聴地域対策(セーフティネット)が終了するまでに必要な見直しをする,ことが盛り込まれた。「新BS2」については,外部制作事業者の番組 を一定量放送する努力目標も入れられている。

この流れは,07~08年の「NHKの衛星放送の保有チャンネル数の在り方に関する研究会」(座長・菅谷実慶大教授)の議論を踏まえたもので,NHKは,平成21~23年度経営計画で打ち出した2波化への検討の方向を可能にできる見直しと受け止めている。

今後,再編の時期の特定などのプロセスとその周知に加え,まだ380万世帯いると推計されるBSアナログ利用者を取り込む魅力的なチャンネル編成が求められる。

石橋 丈