アメリカ最大手のケーブルテレビ会社コムキャストは12月3日，複合企業のゼネラル・エレクトリック（GE）から傘下のメディア企業NBCユニバーサル（NBCU）の経営権を取得したと発表した。コムキャストとNBCUの売り上げを合わせると500 億ドル（約4 兆5,000億円）を超え，タイム・ワーナーやウォルト・ディズニーを上回って世界最大規模の複合メディア企業となる。

合意内容によると， コムキャストとGEはNBCUを含む新会社を設立し，コムキャストがGEに65億ドルを支払う。株式はコムキャストが51％，GEが当面は49％を所有する。

コムキャストは，加入者数約2,400万と全米ケーブル契約者の4割を占める巨大企業。一方のNBCUは，3大ネットワークのひとつNBCテレビや映画のユニバーサル・ピクチャーズ，テーマパーク，有力ケーブルTVチャンネルのMSNBCやBravo，Telemundoなど多くのメディアを持つ。コムキャストは，NBCUの番組制作力や豊富なコンテンツを獲得することで，ソフトとプラットフォームの両方を握り，通信会社の参入で激化するケーブル業界の競争を勝ち抜く狙いがあるとみられる。

コムキャストのブライアン・ロバーツCEOは「合意は，我々にとって完璧な組み合わせだ。アメリカ国民が望んでいる“いつでも・どこでも”アクセスできるマルチプラットフォームのメディア配信強化につながる」と述べた。

この後，FCCやFTCなどによる法的審査が行われるが，大規模な合併であることから審査は1年以上かかるとみられる。