メディアフォーカス

総務省の「NHK受信料体系研究会」の第一次報告書まとまる

総務省の「公平負担のための受信料体系の現状と課題に関する研究会」が2007年11月14日,第一次報告書を公表した。この研究会は,NHK職員の不祥事によって受信料の不払いが増加したことから,2007年6月,当時の菅総務相が,支払い率の算定方法の透明性を高め,公平な受信料体系のあり方を研究する必要があるとして,発足した。

公表された第一次報告書では,(1)受信契約率を算出する際の母数となる世帯数を,今の5年に1度の「国勢調査」ではなく,「住民基本台帳」に基づく世帯数などに見直すことや,(2)世帯や事業所に対する受信料の割引制度について,一部の者への割引導入が,他者への過剰な負担とならないかなどを判断し,実際に制度を見直す場合には,「パブリックコメント」などの国民や視聴者の意見を聴取する機会を設けること,(3)衛星放送を受信できる環境にあっても,実際に衛星放送を視聴していない人には,地上契約を継続できるよう適切な措置をとることなどが提言された。

また,研究会では,NHKの衛星放送は有料放送化し,これを視聴するか否かは視聴者の選択に委ねるべきだとする意見や,地上契約と衛星契約を一本化し,より簡素な受信料体系にすべきだという意見が出されたため,衛星受信料のあり方をさらに議論し,2008年夏頃にとりまとめを行うことになった。総務省では,NHKの衛星放送のチャンネル数を見直す研究会も行われており,この研究会のメンバーも加わって受信料の見直し論議が行われる。

藤野優子