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英アナログ放送終了がスタート

イギリスのイングランド北西部の海岸沿いにあるホワイトヘーブン市で,10月17日午前2時にBBC TWOのアナログ放送が終了し,この周波数帯を使用して,午前2時37分からBBC ONE, BBC TWO,BBC THREE,BBC NEWS 24,CBBCの5つのデジタルサービスが開始された。11月14日には残りのチャンネルのアナログ放送を終了し,商業テレビのITVやチャンネル4を含めた15のデジタルチャンネルが放送される。ホワイトヘーブンは,イギリスで初めてデジタルに完全移行した地域になる。直前に行われた面接調査によると(回答57人),アナログ終了について100%の人々が認知し,10月に終了のプロセスが始まることを98%が認知し,デジタルテレビを所有している人は 92%,所有しているテレビがすべてデジタル化している人は75%と,デジタル移行の準備が順調に進んでいたことを示している。これに続き,2008年 11月6日からスコットランドでアナログ放送の終了が始まることが決まっている。

放送事業者などによる非営利会社の「Digital UK」は,アナログ放送終了の周知活動を行っているが,公共放送のBBCは,全国でデジタル放送完全移行が終了する2012年まで,総額6億ポンドをかけた「デジタル移行支援計画」を行う。これは,75歳以上の高齢者や重度の障害者などのいる世帯に,デジタル受信機を設置するもので,BBCはホワイトヘーブンでの支援業務を入札によって,キャピタ・グループに委託した。また,全国規模の業務については,2007年末までに新たに入札制により決定する予定である。

中村美子