国内放送事情

オンエアに限らないテレビの視聴

~携帯端末による動画視聴に関する調査~

ワンセグ携帯やスマートフォンの普及にともなって録画したテレビ番組やインターネット上の投稿動画を視聴する人々が増加している。こうした動画視聴の実態を探るために、携帯電話、スマートフォン、携帯ゲーム機などのデバイスを利用しての動画視聴に関して、おおまかな傾向をエリアサンプリングによる世論調査により探るとともに、インターネットアンケート調査を行って具体的な利用状況を聞いた。これらの調査に先立ってインターネットを利用したオンラインディスカッションを行い、利用実態を探ったので、上記2調査とあわせて、ディスカッションの議論も報告する。

世論調査によれば携帯電話を使用している人は8割を超え、また動画を見ることのできる携帯機器を利用している人は1/3に達することが分かった。インターネット調査ではこうした携帯端末で利用する動画を、どのような方法で録画しているかをたずねたところ、録画可能な携帯端末で直接録画する人は55%に達し、その理由として「操作が簡単」であるからと答えた人が84%であった。携帯機器を利用して録画したテレビ番組を視聴する理由としては「好きな映像を好きな時、場所で見ることができる」と答えた人が58%であった。同じようにインターネットの動画サイトの利用についてたずねたところ、利用したことが「ある」と答えた人は39%であった。ネット動画を見る理由としては、アマチュアの作成したビデオに「おもしろい映像」があると答えた人が利用者の54%であった。オンラインディスカッションでも投稿ビデオにはテレビには見られないチャレンジングな映像があることなど指摘されており、また細々した生活に関して実用性がある映像があるということも指摘された。このようにネット上の動画も便利でおもしろいものとして受け入れられている。ネット動画は映像情報源として大きな役割を果たしつつあるという現状が明らかになった。

メディア研究部(メディア動向) 三浦 基 小林憲一