番組研究

メディア変革期にみる教師のメディア利用

~2013年度「NHK小学校教師のメディア利用に関する調査」から~

NHK放送文化研究所では、全国の小学校現場におけるメディア環境の現状を把握するとともに、放送・ウェブ・イベントなどNHK教育サービス利用の全体像を調べるために、「小学校教師のメディア利用に関する調査」を実施した。この調査は、1950年から2012年まで定期的に行ってきた、学校を単位とする「学校放送利用状況調査」にかえて、教師個人(1~6年生の担任)を対象として実施したものである。

テレビ受像機やパソコンが日常的に授業で利用できるようになり、電子黒板や指導者用デジタル教科書の導入も始まり、小学校教師はメディア変革期の渦中にあるといえる。こうした新しいメディアは、属性別に見ると、低学年担任より高学年担任、40代、50代より20代、30代、女性教師より男性教師が授業で利用する傾向がある。

「NHKテレビ学校放送番組」とインターネットのコンテンツ「NHKデジタル教材」については、2013年度にいずれかでも利用した教師は半数以上で、高学年担任教師についてみると、この値は7割を越えている。 また、教科別のメディア教材利用に着目してみると、理科、社会、道徳では「NHKテレビ学校放送番組」と「NHKデジタル教材」の利用が多いが、国語、算数、外国語活動では「指導者用デジタル教科書」の利用が多かった。

様々なメディアを教師や児童が日常的に使う時代を見据えて、公共放送ならではの放送番組や教育コンテンツの開発と提供がさらに求められている。

メディア研究部 宇治橋祐之 小平さち子