No.315
2022.10.07
情報番組
『歴史への招待』メガ発掘で残り4本に!
今回は歴史エンターテインメント番組の先駆けともいえる『歴史への招待』の大量発掘です!一気に残り4回となりました。
1978年から6年間にわたって全210回を放送、番組の人気を支えたのは何といっても司会の鈴木健二アナウンサーでした!立て板に水の語り口調は“鈴木講談”とも呼ばれ視聴者を引き込みました。それまで歴史に興味がなかった視聴者にも楽しめるエンターテインメント番組にした、まさにパイオニアです。
この『歴史への招待』が大量に発掘されたのは、発掘ニュースでもたびたびお伝えしている“メガ発掘”です。眼科医の安達京さんのお父さまが録画し、大切に保管していたビデオテープの中から見つかりました。
こちらは発掘された第2回「旗本八万騎」。江戸時代の旗本たちを日本最初のサラリーマンと位置づけ、資料を駆使して現代のサラリーマンとの共通性を探って話題を呼びました。
そのワンシーン。大きな図を前に…
「ここにご覧にいれますのは、将軍を頂点といたしました幕府の職制でございます。資料をもとにしまして私どもでまとめたものでございます。いまテレビの時代劇でスターとなっている“同心”なんていうのはどこにいるかと申しますと…」
「一番下でございます。こんなところにいるんですね。ろくに給料ももらえないような立場の人たちでございました。」
このあとも「桜吹雪の遠山の金さん」や、「徳川太平の世に出世した田沼意次」といったように視聴者が関心を持ちそうなワードを次から次に出して、江戸時代のシステムを現代のサラリーマンに引き付けて紹介していきました。
翌週の第3回も発掘!タイトルは「実録 鬼平犯科帳」。番組開始早々、いきなり殺陣(たて)から始まります。それまでの歴史番組にはなかった大胆な演出です。
当時、すでにテレビドラマとしても世に知られていた池波正太郎さんの時代小説『鬼平犯科帳』。江戸の町で“火付盗賊改(ひつけとうぞくあらため)”という立場で犯罪を取り締まる長谷川平蔵『鬼平』の活躍を描いています。この作品を取り上げ、本当にドラマのような捕り物が行われていたのかなどを検証してみようという趣向です。池波さんご本人も登場、作品執筆の裏話も聞かせてくれます。
スタジオには、実際に長谷川平蔵がつかっていたという十手も登場。私たちが時代劇で目にする二手に分かれた十手とは違い1本の長い金属でかなり重いようです。
「これでコンってやられたら一発ですね(笑)」
二手に分かれた短い十手は警察手帳のように身分証明のために懐に入れていたとのこと。そのほか実際には派手な立ち回りは少なかったのではないか、あるいは服装も柄ものは無かったであろうという専門家のお話しにうなずく鈴木アナ。
さまざまな資料や学者の皆さんの研究をもとに難しい歴史をひもとき、視聴者に分かりやすくプレゼンテーションしてくれます。
今回、こうしたNHKに残されていなかった『歴史への招待』が新たに29回分発掘されました。各回のタイトルは以下の通りです。
- 「旗本八万騎」
- 「実録 鬼平犯科帳」
- 「江戸城総攻め」
- 「琉球王朝の栄光
- 「北辺の黒船」
- 「朝鮮使節往還」
- 「新選組流亡」
- 「龍馬暗殺」
- 「碧眼の会津武士」
- 「奇兵隊叛乱」
- 「実説・石川五右衛門」
- 「切支丹・伴天連」
- 「次郎長 明治に死す」
- 「明治一代女」
- 「決闘・巖流島」
- 「柳生一族の謎」
- 「寛永御前試合」
- 「兵士たちの日露戦役」
- 「刃傷松之廊下」
- 「義経騎馬軍団」
- 「源平兵糧合戦」
- 「青丹よし奈良の都は」
- 「はるかなり長安」
- 「大坂城攻防」(1)―難攻不落冬の陣―
- 「鹿鳴館に元勲は踊る」
- 「板垣死すとも」
- 「ゲルマン札贋造」
- 「代議士誕生譚」
- 「八百八町炎上す」
そして残るは4回分に!!
- 「堺炎上」 1978年07月13日放送
- 「末は博士か大臣か」 1978年09月28日放送
- 「秘剣一の太刀」―塚原卜伝―1978年10月12日放送
- 「実証・壇ノ浦合戦」 1979年01月25日放送
安達京さんからの“メガ発掘”このほか伝統芸能関連の番組でも多くの発掘がありそうです。『歴史への招待』コンプリート(完全収集)に向けて、録画テープの情報をお持ちの方は是非お寄せください!