発掘ニュース

No.101

2016.04.08

アニメ/人形劇

「プリンプリン物語」貴重な初期の回、一気に25本!

今回は『プリンプリン物語』です!特に40代の皆さんは子供の頃、毎日楽しみに見ていた方も多いのでは?!

石川ひとみさんが声を担当したプリンプリンの可愛いさはもちろん、一緒に旅をするオサゲ、ボンボン、カセイジン。そしてIQ1300のルチ将軍など、魅力的なキャラクターがたくさん!

『プリンプリン物語』は1979(昭和54)年から3年間にわたって放送、全656回のうち第1回と第443回以降は保存されていましたが、それ以外は発掘によって空白が埋められてきました。

皆さんのご協力によって現在8割以上がそろっていますが、前半の第90回までは壊滅状態…。第44回がわずかに発掘映像として残っていただけでした。今回なんと、これまで空白となっていた初期の回が一気に25回分そろったのです!!

なかでも大ニュースは第2回の映像が発掘されたことです!

第2回の放送を見ると、プリンプリンの名前の由来や彼女の生い立ちなどなど“えっ、そうだったんだ!”と驚きの発見がたくさんあります。では、その一部をご紹介!

テーマ音楽のあと、登場したのはこの人!

「はーい皆さん、こんにちは。テレビの中にテレビが出てくるヘンな番組。外側のテレビはNHK『プリンプリン物語』きょうは2日目。

内側のテレビは私の勤めるテレビ局、アルトコ中央テレビ、略して“アル中テレビ”!私は花のアナウンサー。間もなく始まる番組は『あなたの身の上、私の身の上』きょうのゲストはプリンプリン!」

ラジオ番組の人気パーソナリティー、つボイノリオさんが声を担当。花のアナウンサーは物語の中でも人気キャラクターでした!

拍手を受けて出てきたプリンプリン、身の上話を語り始めます。

「いまから15年前のことです。アル国アルトコ県アルトコ市、つまりこの町の港に一隻の漁船が帰ってきました。」

漁船に乗った漁師は、沖で不思議な箱をひろったといいます。

「わしら船で沖へ出た。すると…広い海の真ん中に箱が一つ、プカリンコ、プカリンコと浮いていた。200カイリよりもっと、ずっと沖だ、公海だ。どこの国の海でもない、だからこの箱はどこの国のものでもない。誰のものでもない。」

『200海里問題』がニュースで取り上げられていた時代のことです。こうした時事的な話題や風刺的な要素が随所に盛り込まれているのもプリンプリン物語の特徴です。

その箱をひろってきた漁師たちが港で箱を開けてみると…

中から出てきたのはお猿さんと赤ちゃん。この赤ちゃんこそがプリンプリンです!枕元には王冠があります。

漁師たちは赤ちゃんにどんな名前を付けようか悩みます。歌に合わせて…
「♪ヨシコ、ヨウコ、カズコ、トシコ、ハナコ、サチコ、ケイコ…ジュンコ、ケイ、ミー!」
人気だったピンクレディーの2人の名前も…。色んな名前を呼んでみますが、しっくりきません。漁師たちは美しく輝く王冠を目にし、赤ちゃんが王女だということに改めて気が付きます。

「王女といえばプリンセス!」
プリンセス、プリン!」
プリンセス、プリン!」
プリンセス、プリンプリン!」…ということで名前が決定!!

このあと名前を届け出るためになんと市役所へ…現実的ですね!

市役所では戸籍係を訪ねますが、いわゆる“たらい回し”に…。子供だけでなく大人もクスッと笑えるシーンが色んなところにあります。

さて今回の大発掘、もう一つご紹介しましょう!それは第25回「黄色い潜水艦は行く」という回です。なんと人形劇の世界ではスーパースターともいえるあの人が登場する“伝説の回”なのです!

黄色い潜水艦で海を進んでいたプリンプリン達は行く手に島を見つけます。その形はまるで“ひょうたん”のような…すると懐かしい音楽が!
「♪な~みをチャプ、チャプ、チャプ、チャプかき分けて…」
近づいてみると…!

「や~~あ、プリンプリンちゃんコンニチハ!」
「あなたはどなた??」
「吾輩をご存知ない?時の流れは恐ろしい…この吾輩を知らない人が、この世の中にいるとは。吾輩は、かの有名なドン・ガバチョじゃ!!」
「へーーーー!あなたが、かの有名な!」

「思い起こせば15年前、吾輩はテレビに初めて出て、思い起こせば10年前、吾輩はテレビから消えた…。」

ご存知『ひょっこりひょうたん島』のドン・ガバチョです!

「でも、とっても元気みたい!」
「プリンプリンちゃん、吾輩は元気だがちょっと寂しい。ひょっこりひょうたん島にはもう誰もいなくなって、吾輩が一人。みんなそれぞれ、ひょっこりひょうたん島を飛び出して自由の新天地へ。結婚したのもいれば引退しちゃった人もいる。テレビなんかやめて別の世界で偉くなった人もいれば、お亡くなりになった人も…。なかには選挙で夢中になっている人も。」

「吾輩は人形劇の先輩として一言申し上げたい。この仕事は“和”が大事です!“和”が大事ですぞ!分かったか?諸君、仲良くプリンプリンちゃんを盛りたてて良い番組にしてくれたまえ!吾輩はガバチョと祈ってますぞ。グッドバイ、さようなら!」
と言って去っていきます。

『プリンプリン物語』全656回の中でも、他の番組のキャラクターが出てくるという極めて珍しい回です!

さて、今回も貴重なビデオテープの数々を提供して下さったのは、“人形劇の第一人者”伊東万里子さんです!

「プリンプリンは石山透さんが脚本で風刺を盛り込んでいるのね。NHKでよくやったなと思いました。一見、お姫様の美しい物語にしながら社会風刺をしっかり盛り込んでいる。老人たちだけの国とかあって、今の日本みたいでしょう。先見の明があるなと思いますね。浄瑠璃とか文楽とかも、昔から風刺を盛り込んでいるでしょう?人形がやるから良いんです。人がやると角が立つけど人形のやった事ですって言えば、風刺いれてもね。これこそ人形劇の真髄だと思いますね。

録っていたテープは自分でやった事を少しでも勉強しようと思って記録していました。でも録ったきり全然見てないわね(笑)今になると大事なものになりました。

今は幼稚園とか小学校とか、子どもたちに向けて劇団を組んでやってます。多いときは3班で日本のどこかで人形劇をしています。今は岩手に1班行ってるかな?グリム童話を2人で出来るように脚色してやってますね。」

「小学生になるとちょっとすれてくるけど、3歳くらいまでの子どもたちは芝居の世界が現実だと思ってるし、人形はぜんぶ生きていると思っているでしょう。夢中になって素直に入っていけますよね。子どもの感受性の強さは本当に大切だと思います。だから、その時期に良いものを見せて、良い経験をさせるというのが大事ね。そのためにも劇団をやっています。

NHKには人形劇は続けて欲しいですね。今までNHKが積み上げてきたのだからね。
なくなってしまった人形劇、是非、発掘して欲しいですね。」

たくさんの人形たちに命を吹き込み続け、今も子供たちに夢と感動を与え続けてくれる伊東万里子さん。これからも、子供たちに人形劇の楽しさを伝え続けてください!

そしてたくさんの貴重なビデオを提供して下さり本当にありがとうございました!

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