No.001
2014.04.01
ドラマ
「赤ひげ」発掘物語 其の1~女優・仁科亜季子さん編
みなさん、「番組発掘プロジェクト」のホームページへようこそ!
…といっても、NHKが何を発掘するの??という方がほとんどかと…。
「発掘」というのは『NHKの番組でありながらNHKに保存されていない過去の番組を探し出すこと』を呼んでいます。
「え、なんで残ってないの??」と厳しい声も聞こえてきそうなのですが…
詳しいことはこちらをお読みください。
この『発掘ニュース』では定期的に、新しく見つかったかつての番組をエピソードを交えてご紹介していこうと考えています。
記念すべき第1号は、“医療時代劇”の名作「赤ひげ」です!若き日の倉本聰さんが多くの回の脚本を手がけたことでも知られています。昭和47年10月から一年間、毎週金曜日の夜8時から放送していました。まさにゴールデンタイム!ご覧になっていましたか?
舞台は江戸時代、小石川療養所という貧しい人々を救う診療所です。人情味あふれる医師『赤ひげ』先生を小林桂樹さんが演じました。一方、西洋医学こそがこれからの医学のあるべき姿だと考え、『赤ひげ』先生のやり方に反発する若い医師役はあおい輝彦さん。二人はぶつかり合いながら次第に心を通わせていきます。
単なる人情モノのドラマではなく、時として『赤ひげ』先生の方が間違っているかも?と思わせることもあり、社会的な問題も盛り込んだ見ごたえのあるドラマです。今見ても「これは現代のことを描いているのでは?」と考えさせられることがしばしばです。
この「赤ひげ」、実はNHKに残されていたのは第19話「ひとり」という回だけでした。(この回は芸術祭や海外の賞を受賞したこともあり保存されていました。)
(「きぬ」を演じる仁科さん、当時の芸名は『仁科明子』でした。)
そして発掘です!出演していた仁科亜季子さんが1/2オープンリールというビデオで録画したテープを持っていたのです。1/2オープンリールというのは、テープの幅が1/2インチ(約1.25㎝)のリールに巻かれた録画テープです。詳しくはこちら。
(仁科さんの1/2オープンリール。第29回「誤診」の書き込みが!)
お父様で歌舞伎俳優の十代目岩井半四郎さんが早い時期から録画機材を購入し、亜季子さんの番組も録画していました。ところがテープはダンボール箱に入ったまま自宅の地下室に眠っていました。そのテープが何十年ぶりに発掘!しかし、このテープを再生する機材は仁科さんもすでに持っ
そして発掘された2本のうち、なんと1本は幻の第1回でした!
ただ、当時すでにカラー放送でしたが録画機材がモノクロだったため白黒での映像。ヒゲの色も赤ではありません!(笑)画像の乱れが大きく、修復作業を試みているところです。でも、あおい輝彦さん演じる保本という医師に思いを寄せる「きぬ」という娘役の仁科さんがしっかりと残っていました!
「外でのロケは無く、すべてスタジオでの収録。まわりの人はみな職人風で大人の世界で仕事をしているなと感じていました。俳優というのは自分の仕事がこういう形で残っているのが嬉しいですね。」と仁科さんは話してくれました。
『赤ひげ』発掘話は来週も続きます。なんと合わせて5つの回を持っていたという視聴者の方のお話です。
※「赤ひげ」を是非見たい!という方は、NHK公開ライブラリーで無料で第19話「ひとり」を見ることが出来ます。詳しくはこちら!