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河川の等級と管理はどうやって決まる?

  • 2022年10月17日

今回のナノコエは八戸市の猫の「千葉のぞみ」の飼い主さんから「大きな河川の氾濫なども発生しますが、1級河川などの等級はどうやって決まるのですか。管理は誰がしているのでしょうか」という投稿をいただきました。

たしかに川沿いの看板に「1級河川」や「2級河川」と書いているのを見かけることもありますが、どうやって決まっているのかわたしも知りませんでした。
さっそく県などに問い合わせてみると、河川の等級は「河川法」という法律で決まっているとのこと。法律を詳しく見てみてると・・・・。

「1級河川」
「国土を保全する上で、特に重要な水系の河川で国土交通大臣が指定」

「2級河川」
「公共の利害に重要な関係がある河川で都道府県知事が指定」

などと記載されていました。

県内の河川について、1級河川は国が、2級河川は県が決めているということです。ちなみに3級、4級はなく、これ以外の河川は準用河川などと呼ばれています。

県内の1級河川に指定されている河川はこちらの地図に示す3つの水系になります。弘前市などを流れる岩木川、小川原湖に流れ込む高瀬川、八戸市などを流れる馬淵川の3つで、その支流なども含んでいます。

指定と管理は別の話?

しかし、管理はまた別の話になるようです。
1級河川は国が指定しますが、必ずしも管理も国という訳ではなく、県も管理しています。

例えば馬淵川の場合、八戸市にある櫛引橋から下流、河口まで10キロほどは国が管理していますが、櫛引橋から上流、岩手の県境まで30キロあまりは県が管理しています。
これは1級河川の流域でも人口が密集しているなど、より重要なところは国が判断して管理することになっているからなんです。

大雨時の水位の情報はどこが?

質問の答えに対する直接のお答えはここまでなのですが、大雨のときなどに出される河川の水位に関する情報などは、どこが出しているのか。
ことしは特に記録的な大雨もあったので気になったので、調べてみました。

こちらの画面は、ことし8月の大雨の際のニュースの画面です。
水位が高まった岩木川などに対して、「氾濫危険水位」の情報が出ています。

この情報は、国や県がそれぞれ管轄する観測所で一定の水位に達したときに気象台と合同で出しています。
このような情報は「洪水予報」と呼ばれていて、県内では流域面積が大きく、洪水により大きな損害が出る可能性のある1級河川や2級河川の一部に出されることになっています。

この「洪水予報」。レベル1からレベル5まで水位に応じて5段階で出されることになっています。

まず、大事なのがレベル3の「氾濫警戒情報」
自治体から高齢者や避難に時間がかかる人たちに対する避難が呼びかけられます。私たちも日頃、特にこの情報から詳しくニュースなどで詳しくお伝えしています。

レベル4の「氾濫危険情報」が出された場合は、危険な場所から全員避難する段階です。

さらに上のレベル5の「氾濫発生情報」はすでに災害が発生している可能性が極めて高い状態になります。

どう避難すれば?

これらの情報が出て実際に避難するとき、どういうところに気をつけたらいいか。防災学が専門の青森中央学院大学の中村智行准教授に聞きました。

「レベル3の情報が出たら基本的には高齢者以外の方々も避難の準備とか、外出するのを見送ったりして自主的に避難する必要があると思います。高齢者と要配慮者に限ってはその後出る避難指示のときには確実に安全な場所にいるということが前提なので、レベル3の高齢者等避難が発表されたときには、避難行動を開始してほしいなと思います」。

また、夜間であるとか大雨で道路が冠水しているとか高台への避難が難しい場合は、いわゆる建物の上の階に逃げる、『垂直避難』も有効だと指摘しています。

「基本的には立ち退き避難が原則ということになります。ただ洪水に関して、明らかにマンションの上層階に住んでいるだとか、ハザードマップ上を見て一応安全の確保が可能であるのであれば、上階の方に移動して屋内の方で安全を確保するということも『最悪は』大丈夫です」。

大事なことは早め早めの避難。
レベル5を待たずに、できればレベル3から4の間に避難を終えておくようにしておきましょう。

  • 砂川侑花

    記者

    砂川侑花

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