シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

馬場春都[3期生]

1000人の仲間に押されて

 突然ですが、僕は今、沼にハマっています。
 沼にはまって、そこに生きる動植物を守る活動をしています。

 この活動に全力で取り組めているのは、あのときみんなが力強く背中を押してくれたからだと思います。

 18祭のことは、第1回の放送から見ていて、知っていました。音楽が好きで、吹奏楽部と軽音楽部に所属していた僕は、1000人の仲間とパフォーマンスを行うことに憧れて応募しました。

 正直、応募した時は、将来のことを深く考えていなかったし、悩んでもいませんでした。“強い想い”みたいなものを持っていなかった自分は、それが恥ずかしくて、そしてみんなに会うのが少し怖くて練習会には参加しませんでした。

 初めてみんなと顔を合わせたのは前日のリハーサルのときでした。当時17歳だった僕にとって、多くの人は年上でした。同じ18歳世代なのに、大学生の人もいれば就職している人もいる。これまで将来のことを考えていなかっただけに、色々な背景を持つ人たちに出会い、衝撃を受けました。

 本番が終わった後、帰りの電車の中でも、次の日の授業の中でも、しばらくはみんなとの会話が頭から離れませんでした。将来はどんなことがしたいの?という質問に、「大学に行きたいです」としか返せなかった自分が情けなく見えました。

 18祭への参加がきっかけとなって、ようやく、自分の将来のリアルについて考えるようになりました。小さいころから好きだった生き物に関わりたいと、現在通っている大学の門をたたきました。

 大学に入ってからは誰に評価されるものでもない自分自身の人生に「満点」をつけられるようにしようと、1つ1つの活動に全力で取り組んできました。大学の授業、サークル活動、課外活動として博物館や自然学校のボランティアスタッフ、アルバイトでも自然公園の整備や有害鳥獣の調査などをやりました。多方面から自然に関わっているうちに、この自然を失いたくないと思うようになりました。

 現在は、研究を通じて絶滅の危機に瀕している生き物を守ろうと日々努力しています。時に本当に“沼にはまったり”しながら。次に控えるステージは、就職。大好きな生き物、ひいては環境全体を守るために、挑戦を続けたいと考えています。

 あの日、18祭を共にしたみんなから貰ったエネルギーが、今の僕を動かす原動力になりました。

 興味本位での応募だったけど、18祭に参加して本当に良かったと思っています。

 おかげさまで、自分の目標を誇りを持って語れるようになりました。みんな、ありがとう。

 これからも、あの瞬間のエネルギーを糧にして、自分なりの正解を探しながら旅を続けていきます。