シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

あやり[3期生]

小さな幸せに気づくこと

 私が18祭に参加した当時は18歳で福岡に住んでいました。高校を卒業し大学へ進学し秀でた特技もなく、可もなく不可もない平凡な毎日で、漠然と将来に不安がありました。そんな気持ちの中、大好きなRADWIMPSが18祭を務めることが発表され、嬉しいことに参加する権利をいただきました。

 会場で出会った仲間たちはまさに十人十色で、1000人には1000通りの人生がありました。はじめましての人たちなのに、こんなにもひとつになれる。通じ合える。笑い合える。頑張りたいと思える。

 あの日の記憶は今でも脳裏に焼き付いていて、私にパワーをくれます。そして、それまで歩んできた18年に正解も間違いもなくて、ありのままで良いんだなと教えてくれました。

 今、私は社会人2年目で東京で働いています。振り返ればこの5年間でいろんなことがありました。地元で就職するつもりだったのに何故か東京にいるし、コロナで様々なイベントがなくなったし、応援していたバンドは解散するし、これ以上ないと思えた大好きな人とお別れをしてしまったり。数え切れないほどの辛いことやしんどいことがたくさんありました。

 中でもコロナ禍で思うように進まない就職活動。福岡にいる友達や家族が大好きで地元に残りたかったのですが、なかなか自分に合う会社が見つからず時間は過ぎていきました。

「社会人になったら1日の半分以上は働いてるから」という理由で割り切って、面白そうな事業をしている東京の会社へ就職を決めました。

 自分で下した決断だったものの1人過ごす日々はとても寂しく、「都会はこんなに人がいるのに私は孤独だな」と落ち込んでいました。

 しかし現状を変えなければいつまで経っても地獄のままだ!と思い、ずっと軽音学部でギターをしていたので、思い切って都内の社会人バンドサークルに入りました。そこにいた人々はひとりぼっちだった私をあたたかく迎え入れてくれて、友達がたくさんできました。休日の予定も埋まるようになりました。本当にありがたいことです。

 見知らぬ場所に飛び込む勇気をくれたのは18祭です。「私この18祭参加したんだよ!」って今でも自慢できるし、しています(笑)。

 18歳世代のみなさん。
 これから先の人生、辛いことは山ほどあります。私もきっと山ほど起きると思います。でも大事なのはそこで悲観的にならず、小さな幸せに気づくことができるかだと思います。ちょっとした嬉しいこと、笑えたこと、それを積み重ねて「あぁ私いま幸せだな」と思うことができたらいいんじゃないかと思います。

 その辛いことを乗り越えられるパワーを、ぜひ18祭からもらってきてください。思い出しながら文章を綴っていると、あの日の1000人はみんなどんな人生を送っているんだろうと気になってきました。

 いつか同窓会とかしてみたいな。