シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

永瀬葵[1・2期生]

挑戦から得たものは

 初めて親の反対に負けずに挑戦することができたこと、それが18祭でした。勉学に関すること以外の応援はされず、反対されて何もできない。それが当時の自分でした。参加した時、1人であることへの不安が大きかったけれど、友達をつくることができ、あの時の楽しさを超える楽しさには出会うことがないのではないかと思うほどの楽しさを感じることができました。

 これは、やりたいことができた楽しさや嬉しさも加味されてるかもしれません。また、Takaさんが『感情剥き出していけ!』と言った後、1000人の雰囲気が変わった瞬間を忘れることができません。

 練習会では、同年代で同じ時代に生きていてもそれまでの人生で出会わなかったような人を目の当たりにし、非常に刺激を受けたことを覚えています。同時に自分の知る世界が如何に狭いかということも思い知らされました。

 18祭に参加したことで、自己への理解を深め、他者を知ることができたと感じています。また、18祭は多様性を目の当たりにする機会とも言え、そういった環境に身を置くという非常に良い経験ができたと考えています。

 どのようなものが得られ、学べるかは応募するという挑戦をしなければ、経験することも得られるものもなかったと思います。動画を送るのは勇気が必要でしたが、参加して本当に良かったです。

『We are the colors in the dark』自分らしく光輝ければいいのだと、みんなと同じにしなくてはいけないという圧から脱する機会になりました。人の目を気にしすぎていた高校生当時から変わり、大学生以降は高校時代と比べ生きやすくなり、自分らしく過ごせたように思います。

 その後、中学生の頃から目指していた心理士になるべく大学院に進学しましたが、実習で実際にクライエントと対峙してすぐ、体調を崩して実習への参加が許可されない状態になりました。

 半年の休学期間を経て、心理士は向いていないと判断し退学し、現在は大学2年生の頃からお世話になっているアルバイト先で働きながら今後を考えています。今までこの道しか考えてこなかったため、この先についてはまだまだ不透明で不安が大きいです。ですが、人生の比較的早い段階で向き不向きが分かったことは大きかったと考えています。

 一方でここまでに費やした時間やお金、そして学んだことが無意味になってしまったと考えたことも多々ありました。ただ、大学院で経験したことや学んだことは自分独自の視点を作る材料となることに気付き、今後に活かせないとは言い切れないと考えるようになりました。だからこそ、経験したことを無意味だったとは考えたくありません。

 この退学という経験はある種、失敗と捉えられるかもしれません。そう捉えられ、あれこれ言われたとしても『笑ってみてろよ』という気持ちで進んでいこうと思っています。

 このような状況にはありますが、そばには18祭を通じて出会った仲間たちがいます。『好きにやって駄目なら戻ってこい』と戻ってこれる安心感があるから挑戦できる。そんな気がしています。

 自分はあの頃掲げた夢を諦めましたが、誰かを支えたいという点は変わりありません。職種名や直接的か間接的かという点が違っても、誰かを支える仕事に就くことは諦めていません。まだ具体的には決まっていませんがその方向で頑張っていこうと思っています。

 最後に、応募を考えている人へ。
 秀でていることや自慢できるようなことがないから応募できないということはありません。あなたが出来ることや頑張っていること等、そこに上手い下手は関わらないと思います。必要なのは込められた思いや熱意だと思っています。

 テーマの解釈は難しいかもしれませんが、それができた時、あなたは自分のやりたいことのためなら難しい課題であっても取り組むことができ、完遂できる人間なんだと自分を理解することができます。これは結果の合否には関わらず言えることだと思います。

 つまり、応募という挑戦をすることでそこまでの間で経験することがあり、そこから得られるものがあるのです。テーマに沿って自身を振り返ってみませんか?自信がなくても挑戦したいと思うのであれば、その気持ちを大切に一歩踏み出してほしいと思います。