シリーズ「18祭先輩たちのうしろ姿」〜あの時みんな18歳世代だった〜

内田和宏[4期生]

あの瞬間が僕を夢に繋ぎ止めている

 練習会では自分はレーサーになりたいんだって息巻いたり、ステージ上に上がって思いっきり歌ってた人です笑。

 当時自分が18祭に応募する以前は、レーサーになりたい気持ちを抑えつつ、周りの流れに合わせて、普通に高校を卒業してみんなと同じように大学に進学しようって考えてました。

 18祭に応募した数週間後、うつ病を患ってしまい数ヶ月の間不登校になり、夢も希望も周りにも合わせることも出来ず、高校も卒業できないことに絶望を抱いていました。でも18祭に応募していたことが僕の希望を繋ぎ止めてくれました。ベッドで絶望に明け暮れている中、18祭どうしよう……。出れる気がしないやって考えているうちに、ハッと今まで抑えていたレーサーになりたい夢を思い出しました。

 そこから、うつ病になって周りともう合わせることができない今だからこそ、レーサーになることが出来るかもしれない、そんなウキウキ感が段々と大きくなり、その最高潮のコンディションで本番を迎えました。

 18祭を終えた後は、精神的にも快方へと向かうようになり、卒業するために必死に補習を受けて結果、なんとか高校を卒業できたし、加えて公立の大学にも進学することができました。

 なんだかんだ言って、周りと同じような道を歩むことになってしまい、結局レーサーになる夢からはまた遠ざかった気もします。やっぱり現実的に今からレーサーなんて無理だ、普通に一般企業に就職しようって気持ちが強く芽生え始めました。

 でも、18祭で経験した記憶や、度々街中でスポーツカーが大きな音を立てて僕を追い越す様子を見ると、どうしても胸の高鳴りが治りませんでした。

 18祭では、僕と同じように普段は人前では言えない大きな夢を仲間たちに共有したり、共有してもらったりして僕と同じように夢を隠し持って生きていた人と出会えたことが大きかったです。18祭に参加しなくてもきっと同じような思いを抱えている人はたくさんいるだろう。だから僕はそんな人たちの代弁者の一人になってやるっていう気持ちを抱いて参加していました。

 進学先で1人暮らしをしている日常の中で、以前抱いた夢をまた次第に諦めそうになって揺らいでいるとき、バイト先の友達のスマホからふいに18祭で歌った「Philosophy」が流れてくることがあります。それを聞くと、あの時、同じ気持ちでいた他の参加者のことや、代弁者になってやるっていう自分の気持ちがフラッシュバックのように思い出され、あの場所で、仲間たちと、この歌を歌えたことが僕の夢を繋ぎ止めてくれています。

 やっぱり僕にはどうしてもレーサーになりたい気持ちがあります。だから今後の道筋として、今は大学を卒業することを目指して就職もして、まずは草レーサーとして休みを利用して、アマチュアのレースに参加していこうと思います。そこで頭角を表すことができれば段々とハイレベルのレースへと、センスがなくてダメなら趣味としてレースを楽しんでいこう。そう思うようになりました。

 最後に、これは夢とは関係ないかもしれないですが、レースは出来ずともバイクの免許を取ってツーリングに出かけたりしてします。夢に近づいているかどうかはわからないですが、バイクを心の底から楽しんで走っていると、すごく生きがいを感じます。

 そんなこんなで18祭を経験してから3年経った僕の心境です。