手軽に始められそうなローリングストック。
具体的な備えのコツも聞いてきました。
①好みの味をそろえる
例えばレトルトのカレー。
細谷さんのお宅では、
家族それぞれの好きな味が常備してありました。
災害時も、食べ慣れた味があると、
よけいなストレスがかからないからです。
お子さんのお気に入りだというふりかけもストックがありました。
「よくお米をストックしてます!って家も山形は多いと思うんですけど、災害時には白米だけが続くとなると苦しいかなと思うので、
こういったもので気分を変えられるようにしています」(細谷さん)
②お菓子も大切な備え
さらに、カゴいっぱいのお菓子のストックもありました。
災害時は我慢しなきゃ、ぜいたくはいけないと思いがちですが、
ストレスを減らすために、お菓子も大切な備えだと細谷さんは話します。
「お菓子って結構リフレッシュになりますよね。
好きな物をそろえておくことで 生きる活力にもなる。好きな物を1つ多くというのが、ふだんのローリングの中でもストレスがかからないかなと思います」(細谷さん)
③使わないものは選ばない
そうは言っても気になるのが賞味期限。
長期保存食は5年以上もつものもあります。
それに比べると、
日用の食品は賞味期限がそれほど長くないですよね。
備蓄中に、期限が切れそう・・・と思ってしまうのですが、
細谷さんのお宅では、賞味期限切れに困ったことはほとんどないそうなんです。
「『ふだん使う物じゃないな』と思ったら、そこでローリングストックをストップする、その商品に関してはやめてしまうというのがいいと思いますね」(細谷さん)
水分の備蓄も・・・
そして、大人1人あたり1日3Lが必要と言われている水分の備蓄。
ここでも、今までのポイントが生かせます。
皆さんがふだんよく口にしている水分はなんでしょうか?
細谷さんの家には、水のほか、フルーツジュース、野菜ジュース、お茶などが備蓄されていました。
「長期保存用の水、だけでもよいが、相当な量になりますよね。
消費するのも難しくなってくるので、口に入る水分だけを考えれば、自分が好きな物でそろえるという備えもふだんから使いやすいと思います」(細谷さん)
長期保存食 食べ慣れが必要
そして「食べ慣れた物を備蓄している」状態にするために、倉庫に眠りがちな長期保存食も、ふだんから口にすることが大切だと教えてもらいました。
とくに小さい子どもは、災害のときに初めて食べさせても食べてくれないことがあり、実際困った経験がある人もいると言います。
細谷さんのお宅では、ふだん公園に遊びに行くときに長期保存食とお湯を持って行き、お昼ご飯に食べているそうなんです。
いまは長期保存食もさまざまな味や種類があるので、食べる経験をするのはもちろん、自分が好きな味を見つけておくのも大切だということでした。
小さな「いざ」にも役立つ
このローリングストックが役立つのは地震で被災したときだけではないんです。
例えば、大雪や台風で家に被害はないが外出を控えたいとき。
そして、自分や家族の急病。
1人暮らしでインフルエンザになってしまったときにも、
備蓄があると寝込んでいても食べ物には困らなさそうです。
さらに首都直下の地震や南海トラフ巨大地震が発生し、工場が
被災してしまったとき、山形に物が入ってこない・・・ということも
十分考えられます。
そんなときも、ふだんからローリングストックをしておくことで、
ある程度生活がまかなえるということなんです。
考えてみると「買い物に行けなくなる場面」というのは
想像以上にありそうですよね。
「買わないと、備蓄しないと・・・」と考えると負担になってしまいがちですが、「いつもより少し多めに買ってとっておく」を習慣づけることでできる「自分のための支援」。
きょうの買い物からはじめてみませんか?
渡邊晶子 | 投稿時間:16:49