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SUNDANCE/NHK AWARD サンダンス・NHK国際映像作家賞
What is SUNDANCE/NHK International Filmmakers Award?
「サンダンス・NHK国際映像作家賞」とは?
SUNDANCE/NHK AWARD
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1996
セントラル・ステーション Central Station (Central do Brasil)
セントラル・ステーション 1998年/ブラジル映画/上映時間1時間51分
出品受賞暦
1998年第48回ベルリン国際映画祭金熊賞(グランプリ)、銀熊賞(主演女優賞)、エキュメニカル審査員特別賞受賞
アカデミー賞・最優秀外国語映画賞ノミネート
英国アカデミー賞最優秀外国語映画賞
ゴールデン・グローブ賞最優秀外国語映画賞
クレジット
監督:ヴァルテル・サレス
製作:アーサー・コーン/ マルティーヌ・ド・クレルモン=トネール
製作総指揮:エリザ・トロメッリ/リリアン・ブリムバウム/ドナルド・ド・ラン
製作補:パウロ・ブリート/ジャック・ガジョス
脚本:ジョアン・エマヌエル・カルネイロ/マルコス・ベルンステイン
撮影監督:ヴァルテル・カルバーリョ
編集:イザベル・ラテリー/フェリーペ・ラセルダ
美術:カシオ・アマタンテ/カルラ・カフェー
音楽:アントニオ・ピント/ジャック・モルランボーム
原案:ヴァルテル・サレス
録音:ジャック=クロード・ブリッソン/フランソワ・グルー/ブルーノ・タリエール/ヴァルテル・シャヴィエル
共同制作:ビデオ・フィルムス/リオフィルミ/マクト・プロダクション

キャスト
ドーラ:フェルナンダ・モンテネグロ
イレーネ:マリリア・ペーラ
ジョズエ:ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ
アナ:ソイア・リラ
セサール:オトン・バストス
ペドロン:オターヴィオ・アウフスト
ヨランダ:ステラ・フレイタス
イザイアス:マテウス・ナシュテルゲーレ
モイゼス:カイオ・ジュンケイラ
Central Station (Central do Brasil)
【監督プロフィール】
ヴァルテル・サレス監督
ドキュメンタリーにおいても、劇映画においても、サレスはいつも亡命者とアイデンティティの追求をテーマの中心にする。1995年に撮られたダニエラ・トーマスとの共同監督による劇映画 “Foreign Land” はブラジル映画のルネッサンスの中で重要な位置を占めている。この作品は7個の国際的な映画賞に輝き、30以上の映画祭で上映された。1996年にブラジルでは最優秀映画に選ばれ、6ヶ月以上に渡って劇場公開された。1997年にはアメリカ公開されて絶賛された。
また、“Life Somewhere Else” (“Socorro Nobre”)や“Kracjberg, the Poet of the Remains”をはじめ、いろいろなドキュメンタリー作品も手がけており、オーディオ・ビジュアル番組国際賞のフィパ・ドールやイタリアのポポリ祭の最優秀ドキュメンタリー賞や大衆賞なども獲得している。
【あらすじ】
リオ・デ・ジャネイロの中央駅(セントラル・ステーション)で字が書けない人を相手に“代筆&投函業”を営む元・教師のドーラ。地方から都会に集ってくる労働者たちは彼女に仕事を依頼し、家に残した家族への連絡やラブレター、日々の暮らしを伝えようとした。ドーラは1通につき1へアル(約1ドル)分の手数料をとり、投函すれば追加の1へアルを受け取ることにしていた。そんな客の中にはアナや彼女の9才の息子ジョズエ(ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ)もいた。ジョズエは顔も見たことがない父親にとても会いたがっていた。
リオの中央駅では、ラジオを盗み射殺されてしまう男、窓から車内に飛び込むほどの満員電車、たむろする孤児達等、様々な人々が行き交っていた。そんな駅を通りすぎる絶望的な人々の顔に何も感じなくなったドーラは、自分の責任の重さを忘れ、送る手紙と捨てる手紙を適当に選び、投函料をせしめていたのだ。毎夜、満員電車で郊外のアパートへ戻るドーラは隣人のイレーネ(マリリア・ペーラ)と一緒に、部屋でその日の手紙を大声で読んでいた。そして、父親に会いたいジョズエの母親に頼まれた手紙は机の中に一度はしまわれるがいつものように、ドーラは捨てるつもりでいた。 しかし、そんなドーラの生活が大きく変わる。翌日、アナとジョズエは再び駅にやってきてジョズエの父親にあてた二度目の手紙を依頼するが、その直後にアナはドーラの目の前でバスにひかれて死んでしまう。リオには誰も知人がおらず、ジョズエは一人、駅のまわりをうろついていた。
好奇心まじりの母性につき動かされたドーラは、ジョズエに同情しながらも駅で出会った男からジョズエを“養子縁組斡旋所”に「売る」ことを持ち掛けられ、その報酬で念願のテレビを購入する。イレーネはドーラを問い詰めてその金は里子にだす報酬ではなく、臓器売買に関係しているのだとドーラを責め立てる。良心の呵責に囚われたドーラは彼を救出する為、決死の覚悟をし、見事成功。二人は、送らなかった父親宛ての手紙を届ける旅に出る。これまで行ったこともないような場所にちぐはぐな二人はバスやトラックで旅を続ける。気まぐれで、嘘つきなドーラはジョズエが眠っている間に旅費を残して立ち去ろうとするが、それが災いして一文無しになってしまう。旅費もない二人を助けたのは黄色いトラックの運転手。彼は家族も持たない巡回牧師だった。ドーラは彼の優しさに心惹かれるが、牧師である男は誘惑に負けてしまった事を恥じて二人をおいて立ち去ってしまう。哀しむドーラを慰めるジョズエ。目的の村にいくトラックに頼み込み、小さな村を行き交いながら、その奥へとたどり着く。巡礼者でにぎわう村祭りで一文無しのドーラはジョズエの発案で“代書&投函業”を再開する。そこで頼まれた手紙は、リオで彼女が代筆したものと違って、神への感謝、家族への想いがちりばめられた穏やかな手紙だった。やがて、最初はさけ合っていた二人が、次第に心の深い部分を触れあわせるようになり、ジョズエは自分の父さんは酔っ払いなどではなく、立派な大工だったと信じ、ドーラは惨めな自分を憎んでいたことを語り始める。
ジョズエは母親が言った父親の住所を訪ねると、そこには別の家族が住み、集合住宅でそこから父親を探し出すのは不可能に近かった。しかし、親切な村の大工が失望した二人に声をかけ家に招く。そこにはジョズエの母親が描かれた肖像があり、二人はその男がジョズエの腹違いの兄達だということを知る。 字の読めない兄は父親から送られた手紙をドーラに読んでほしいと頼む。その手紙には優しい父親の切ない思いが書かれていた。
リオから小さな村へ向かう美しい風景に彩られた二人の旅は、自分のアイデンティティを探す旅だった。少年は父親を探し、ドーラは自分の心の奥を見つめた。そんな二人に、別れの時が近づいた。まだ日が昇らない朝やけの中で別れ、それぞれの人生を歩き始めた。

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