「すくすく子育て」では、これまで10年以上にわたり、子育ての困りごとを解決するアイデアや、子育てを楽しくするアイデアを全国から募集! 選りすぐりの作品を特集番組「すくすくアイデア大賞」として放送してきました。
今回は、過去に放送した「すくすくアイデア大賞」から、育児に役立つアイデアを一挙にお見せします!

専門家:
榊󠄀原洋一(お茶の水女子大学名誉教授/小児科医)

イヤイヤ写真館

東京都 高村さん/アイデア大賞2016紹介作品

子どもが2歳のころ、イヤイヤ期に悩んでいたママ。そこで考えたのが、このアイデア。

子どもがイヤイヤを始めたら写真を撮る。たったこれだけ。写真を撮られた子どもは、自分が写っている写真に興味が移って、イヤイヤがおさまります。

さらに、撮影した写真を「イヤイヤ写真館」として1冊の本にまとめます。

「だっこして!」と道端でダダをこねたとき、スーパーで欲しいものの前で座り込んだとき、親戚とバイバイしたくないと動かなくなったときなど、いろいろな写真があります。

子どもが5歳になっても、このアイデアを使うことがあるといいます。
イヤイヤしている子どもの気持ちを切り替えることもできて、思い出にも残りますね。


マジック? 寝室スライドショー!

東京都 河合さん/アイデア大賞2015紹介作品

河合家の仲よしきょうだいは、遊びに夢中になると、寝る時間になっても寝室に行こうとしません。そんなときに使うのが、このアイデア。

用意するのは、懐中電灯、油性ペン、透明の袋。

透明な袋に、ペンで好きな絵を描きます。

暗い寝室で、絵を描いた透明の袋に懐中電灯をあてると、大画面のスライドショーに!
そして、絵に合わせて、ママのオリジナルストーリーを聞かせます。
子どもたちは暗い寝室にも喜んで行くようになりますよ!


じいじのダンボルギーニ

福島県 松崎さん/アイデア大賞2018紹介作品

3年前に初孫が生まれて、孫と遊ぶのが何よりの楽しみなおじいちゃん。でも、孫が成長してくると、みんなが「だっこで腕や腰が痛い」と言っているのを聞いて、自分に何かできないかと考えていました。

そこで、おじいちゃんが作ったのが「ダンボルギーニ」。その名の通り、ダンボールで作った孫専用の車!?なんです。子どもが入るぴったりサイズのダンボール箱にひもをつけて、滑りが良くなるよう、底にこん包材を貼っています。

「もともとは孫が2か月のころ、寝かしつけるために作ったダンボルギーニ。現在は2台目ですが、大きくなった孫を満足させるには、スピードがいちばん」と良範さん。現在、スピードをあげられる方法を考えているそうです。


専門家のコメント
必要は発明の母。アイデアひとつで子育ての困難を楽しく乗り越えられます。

榊󠄀原洋一さん

「必要は発明の母」といいますね。「なかなか寝ない」「楽しいことをやめたくない」など、子育てをしているとよく遭遇する困難なことをうまく乗り越えるためのアイデアですね。
おじいちゃんの立場で、孫から好きになってもらいたいという気持ちもアイデアにつながりますね。


大きなお口で歯みがきア~ン

愛知県 平尾さん/アイデア大賞2017紹介作品

3姉妹の長女のお姉ちゃん(9歳)は、末っ子(2歳3か月)の歯磨き嫌いに困っていました。そこでお姉ちゃんが考えたアイデアがこちら!

「おおきく、あ~んできるかな」という、オリジナルの歯磨き絵本を作りました。

この絵本には、妹が大好きな動物たちが登場します。

動物の口を開くと、バイキンがいっぱい。それを歯ブラシで退治していきます。
ポイントは、飽きないように、口や歯ブラシにマグネットをつけて仕掛けを作ったこと。歯磨きの後のうがいも覚えられるようになっています。

「こんなにバイキンがいるんだよ。磨いてあげたらバイキンがいなくなるよ」
そうやって絵本を楽しんだ後には、おとなしく歯を磨かせてくれます!


ご長寿安心☆便利なひ孫表

兵庫県 奥さん/アイデア大賞2016紹介作品

めでたく米寿を迎えたおじいちゃん。6人目のひ孫が誕生し、にぎやかな老後を送っています。でも、ひとつだけ悩んでいることがあります。かわいいひ孫たちの名前をなかなか覚えられないことです。

「覚えていられないから、会うのがしんどくなる」と聞いた孫の奥さんが考えたのがこのアイデア。

一目で顔と名前が一致する、写真付きの家族表です。
作り方はとっても簡単。パソコンに取り込んだ家族の写真を、世代ごとに貼りつけ、その下に名前を入力して、好きな飾り付けをします。

あとはプリントアウトすれば完成!これなら親戚みんなに配れますね。もちろん、パソコンが苦手なら、切り抜いた写真を台紙に貼るだけでもできますよ。

おじいちゃんは「幸せの額」という名前をつけたそうです。


楽・落・ラクガキ♪

愛知県 山下さん/アイデア大賞2018紹介作品

やんちゃ盛りの4歳の息子。外で遊ぶことが大好きだけど、お風呂が大嫌い。なかなか入りたがらず、いつも困っていました。そこで、ママは「お風呂が楽しい時間になるアイデア」を考えました。

それは、入浴剤でお風呂の壁にラクガキをして遊ぶこと。

準備はとても簡単です。3か月以上の赤ちゃんに使える入浴剤を少量の水で溶かすだけ。準備しているうちから、子どもは「はやくお風呂に入ろう!」とすでにやる気満々。

水鉄砲を使って遊ぶこともできます。
遊んだ後は、シャワーで洗い流すとあっという間にキレイになります。


専門家のコメント
親だけでなく、周りのみんなで子育てを楽しむアイデア。

榊󠄀原洋一さん

子育てというと親が中心となって関わると思われがちですが、それ以外の周囲の人たちとの関わりの中でのアイデアがたくさんありましたね。お母さんと子どもだけではどうしても煮詰まってしまいますが、周りのみんなで子育てを楽しいものにしていくアイデアが詰まっていたと思います。
「子育ての姿勢で何が重要か」についての研究があるのですが、そこでは、肯定的な働きかけがとても大事だということがわかっています。つまり、子育てを「楽しむ」ことが、子どもがよく育つことにつながるということです。それを皆さん、ちゃんと会得されているなと感じました。


安心!子どもと買い物リスト

千葉県 宇尾さん/アイデア大賞2015紹介作品

宇尾さんの4歳になる息子は走るのが大好き。どこでも走り回ってしまうので、ママは困っていました。特に困っていたのは、スーパーなどでの買い物のとき。そこでママが考えたのが、このアイデア。

まず、その日に買うものを、絵本などを参考にイラストで描きます。絵の買い物リストをつくるのです。この買い物リストを子どもに渡して、その商品を見つけてもらうようにします。

すると、子どもは宝探しをするように、じっくりと商品を探します。見つけたときは、とても喜びますよ。
以前は、スーパーは遊び場という感覚だったのが、買い物をする場所だということを理解するようになったそうです。


○○ちゃん取り合いコント

鹿児島県 松村さん/アイデア大賞2016紹介作品

次女が生まれると、4歳のお姉ちゃんは赤ちゃん返りしてしまいました。妹の世話をしていると、すぐにやきもちをやいてぐずってばかりです。そこで考えたのが、このアイデア。

パパとママが、真剣にお姉ちゃんを取り合うコント。パパとママで取り合いをしているうちに、お姉ちゃんは機嫌がよくなりました。体に触れながら取り合いをしていると、あきらかにうれしそうな表情になるといいます。


本日のヒーローインタビュー

大阪府 長谷川さん/アイデア大賞2017紹介作品

保育士の長谷川さん。自由奔放な子どもたちに悪戦苦闘中です。特に困っていたのが、子どもたちに集合をかけてもなかなか集まってくれないこと。そこで考えたアイデアがこちら!

「今日のヒーロー、○○選手はいらっしゃいますか~。ヒーローインタビューをします。集まってくださ~い」と、一人一人の名前を呼びかけ、インタビューするのです。

すると、子どもたちは大喜びで集まってきます。


あ!たおれちゃった?!

東京都 阿部さん/アイデア大賞2018紹介作品

阿部家は高校1年・中学1年・小学1年・4歳の男4人兄弟! そんな阿部さんが、子育てでいちばん苦労しているのが兄弟ゲンカです。そこで、ママは「ケンカを楽しく止めることば」を考えました。

子どもたちがケンカを始めたら、ママは「そんなことすると、たおれちゃうよ」と言います。

すると、上の子がたおれます。
実は「たおれちゃうよ」という言葉に合わせてケンカをしているうちの1人がたおれることが、阿部家のお約束なんです。

ママが「たおれちゃったよ!大変!」と大げさに騒げば、下の子は芝居だとわかっていても、お約束で様子を見にきます。これでケンカがストップ。いつの間にかみんな笑顔になっています。
この約束は、お兄ちゃんたちが幼かった10年前から。怒ってケンカをやめさせるのではなく、楽しく解決できます。


専門家のコメント
繰り返すことで、ルールや人間関係が身につく。

榊󠄀原洋一さん

一回きりではなく、繰り返すことで、ルールや人間関係を覚えてもらうような仕組みが頭に入っています。子どもが大きくなればなるほど、こういうアイデアは重要だと思います。
子育てをみんなで支え合うことから社会の中での分業が発見された。文明の一番の基本が子育てだと言う説もあります。

※記事の内容や専門家の肩書などは放送当時のものです