NHKスペシャル

激流中国 密着 共産党地方幹部

北京五輪を来年に控え、激動の渦にある中国の最前線の現場を毎月、ルポする激流中国。
11月は、さまざまな課題と向き合う中国共産党・幹部たちに密着した。党員数7000万を越える世界最大の政党・中国共産党。5年に1度の最も重要な政治イベントである第17回党大会(中国共産党全国代表大会)が今月15日から開催される。そこでは胡錦濤総書記の後継者を占う中央委員などの選出が行われると同時に、党の新たな重要方針が示される。それは今、“社会矛盾や格差”を是正し、「調和社会」実現を目指す胡錦濤体制が全国の幹部に向けて掲げるスローガンとなる。番組では、このタイミングに、2人の地方の幹部に長期密着した。1人は経済発展から取り残されてきた東北地域の幹部。彼の仕事は倒産した国有企業の処理、そしてリストラされた大量の失業者たちの救済。地道な活動が日々続く。もう1人は経済発展を実現した、豊かな南部の幹部である。豊富な税収を元に、中国でも類い希な社会保障制度を導入、「調和社会」のモデルとして称えられ、今回の党大会にも招かれた。困難な課題にどう向き合うのか、2人の幹部の姿を通して、知られざる共産党の現実が浮かび上がる。