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パパの育児どうしてる? 神奈川のパパ講座で聞いてきました!

  • 2023年03月09日

「男性だって育児をするのが当たり前」の現代。
「子育てと仕事の両立は?」「家事と育児の分担どうしている?」「育休を取りたいけどキャリアが不安」
そんな家庭や職場で話しづらいパパの育児の悩みを気軽に相談できるつながりをつくってもらおうと、神奈川県内各地で「パパ講座」の取り組みが進められています。

NHK横浜放送局では現在、神奈川県内のパパたちの、リアルな声を募集しています。
さまざまな経験や悩みや疑問、それらを解決するための家庭の中での工夫、企業や地域での新たな動きなどを寄せられた声の中からご紹介したいと考えています。
神奈川県内のパパたちの声を、是非寄せてください。
ご意見はこちらからお寄せください。

神奈川各地で実施 パパ講座とは

パパ講座の様子

ことし1月、横浜市港北区のJR横浜線「小机駅」からほど近い「城郷小机地域ケアプラザ」でパパの育児支援講座が開かれました。
参加したのは4組の親子です。
生後5か月から3歳までの子どもと父親が参加しました。

体を使って遊ぼう

講師は小学5年生の息子がいる浦瀬亘(うらせ・わたる)さんが務めました。
浦瀬さんはNPO法人全日本育児普及協会という団体に認定された講師です。

講座ではまず、家でできる子どもと体を使った遊びを紹介。
参加した父親と子どもたちで遊びを実践しました。 

体を使った遊びをする親子

子どもをひざの上にのせた状態で5秒間キープしたり、抱っこしたままスクワットしたり。
体を使った遊びは、育児の合間の息抜きにもなると浦瀬さんはいいます。 

ママのこと、どのくらい理解していますか? 

続いて浦瀬さんが父親たちに尋ねました。
「妻のことをどのくらい理解しているか」「子育ての状況」「子育ての悩み」がテーマとなりました。
すると、次のような生活の変化や悩みが出てきました。 

30代の父親

「家に帰るのが早くなった。友だちと遊びに行くことはなくなり残業もしなくなりました」

30代の父親

「寝かしつけの時が大変。心の余裕があればなんてことないが、仕事で余裕が無いときはつらいことがある」

40代の父親

「妻とのコミュニケーションが全くなくなった」

育児の悩み相談できるつながりを 

講義を聞く親子

生活の変化や悩みを吐露した父親たち。
浦瀬さんは妻とのコミュニケーションを取るのも大事だとしたうえで、大切なポイントとして次のことを指摘しました。
妻以外にも、職場や友だち、地域のつながりを持つことです。

浦瀬さん

パパにも発散の場が必要。ママには言いづらい育児の悩みを相談できるつながりを家庭以外の場で作ることが大切です。

パパの悩みは? 

1時間半にわたる講座の取材が終わり、私(記者)は、参加した父親に、ほかにどんな育児の悩みがあるのか聞きました。

父親

「夜泣きが復活したが、ママじゃ泣き止まずいつも自分が対応している。仕事中眠くなることも」

父親

「10以上の保育園に応募したけど全部落ちてしまった。2次申請を出すかどうか悩んでいる」

父親

「夕飯の当番だけど子どもの自己主張が強くなってきてメニューに悩むことがある」

一方で、「新鮮さや楽しさを感じている」という声も聞かれました。

父親

「生活は激変したが、子どもはかわいいし、いまはつらさよりも新鮮さや楽しさが勝っている」

完璧を求めないで パパも息抜きを

講師の浦瀬さんも小学5年生の男の子の父親です。
ここ5年間で育児の状況が劇的に変わったと実感しています。

浦瀬さん

最近は各地で開かれるパパ講座も増えたり、パパの育児参加が進んだり、育児や家事に対する意識が変化していると実感しています。昔は勇気を出さないと取れなかった育休を取るパパも徐々に増えてきました。ママの負担が減るなど良いことではあります。

その一方で、「理想のパパ」へのプレッシャーを感じている人も少なくないということで、浦瀬さんは、父親への支援が必要だと考えています。

浦瀬さん

テレビなどで取り上げられるのは育児を完璧にこなすパパばかり。理想へのプレッシャーから、現実とのかい離に苦しむパパも増えてきている印象です。会社の育休制度が整っていないところもあり、仕事量が変わらない中で育児も完璧にやろうというパパもいます。以前はパパ講座では『育児に参加しましょう』と呼びかけていました。ただ、いまは育児に積極的なパパが増えてきたので、『息抜きする方法を見つけましょう』と呼びかけの内容も変えています。

記者も父親だけど後悔が

記者(尾原)と息子

私も1歳の息子がいて、妻も同じように働いています。
息子が生まれたおととし、私は大阪から横浜に異動したばかりで、長期間仕事を休むと「出遅れるのではないか」という漠然とした怖さがあり、たった数日しか休みを取りませんでした。
妻は1年間の育休を取得後に仕事に復帰、育児に関して大きな負担をかけてしまったことに後悔と申し訳なさを感じています。

去年(2022年)10月から「産後パパ育休」が始まっています。
神奈川県によりますと、神奈川県の男性の育休の取得率は18%にとどまっています。
少子化対策を最重要政策に位置づけるなか、政府は2025年までに男性の育休の取得率を30%に増やすことを目標に掲げています。
共働きの家庭が増え、男性も育児をすることが当たり前の現代。
一方で、どうしたら仕事とうまく両立できるのか、家庭の中でどのように役割を分担すればいいのか、そんな悩みを抱えている人も増えているのではないでしょうか。
「保育園の送り迎えどうしてる?」「家事の分担はどうしてる?」「ママでしか寝付いてくれない」「育休を取りたいけどキャリアが不安だ」などなど。

パパのみなさんの経験・意見・悩みを募集します

NHK横浜放送局では現在、神奈川県内のパパたちの、リアルな声を募集しています。
さまざまな経験や悩みや疑問、それらを解決するための家庭の中での工夫、企業や地域での新たな動きなどを寄せられた声の中からご紹介したいと考えています。
神奈川県内のパパたちの声を、是非寄せてください。
こちらの投稿フォームからご意見をお待ちしています。

  • 尾原悠介

    横浜放送局 記者

    尾原悠介

    2018年入局。
    2021年11月から横浜放送局で事件・事故を中心に取材。1児の父親として子育て分野についても取材を続ける。

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