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避難生活での寒さ対策どうする?新聞紙・段ボール活用術!ペットボトルを湯たんぽ代わりに!

  • 2024年1月9日

被災地では、厳しい冷え込みとなる中、体温の低下により体調の悪化につながることが懸念されます。厳しい状況の中で不安も重なり、疲労も大きいことと思います。

いまの被災地でとりうる寒さ対策についてまとめました。

「動かない空気の層」を作る

阪神・淡路大震災での被災経験から、防災に役立つ情報を発信している防災ガイドの「あんどうりす」さんによりますと、寒さ対策には体と服の間や、床と体の間などに「動かない空気の層」を作ることが重要だということです。

断熱材のような役割を果たしてくれる「動かない空気の層」の作り方を具体的にみていきます。

まず、簡単にできるのは、新聞紙やラップを丸めたものや、ポリ袋に空気を入れたものを服の中に入れることです。
また、重ね着することで服の間に動かない空気の層をつくることも出来るそうです。

床からの冷気を防ぐ

体育館の床などは断熱性が低いものが多く、床に座っているだけでも体温が奪われてしまうため、床からの冷気を防ぐことも重要です。

段ボールや保育園などにある子ども用のプレイマットなどは断熱効果が高く、床に敷くことで冷気を遮断する役割を果たしてくれます。

特に冷え込みが厳しい夜は、なかなか眠れないという人もいるかもしれません。
そういう時は段ボールに頭を入れるだけでも暖かさを感じられるということです。
この「段ボールかまくら」は、大きいもので体を覆うことでも効果が高まります。

ダウンの有効活用

ダウンジャケットを着ている人は、羽毛の暖かさを活用すると効果が高まります。

羽毛は暖かさで膨らみ、広がった羽の間に空気が入って「動かない空気の層」を作る構造になっています。

そのため、なるべく体温で羽を温めることが大事だということです。

また、ダウンを振って空気を入れたり、カイロをポケットに入れて、羽毛を膨らませたりすることも有効だとしています。

在宅看護の専門家…被災地でとりうる寒さ対策とは

また、在宅看護の専門家にいまの被災地でとりうる寒さ対策について聞きました。

愛知医科大学看護学部の佐々木裕子准教授は在宅看護が専門で、阪神淡路大震災をはじめ各地の地震や豪雨災害の被災地で避難者の支援や環境整備に携わってきました。

首や足首それに頭や腰を温める

佐々木准教授によりますと、寒さを防ぐためにまず重要なのは、太い血管が通る首や足首、それに頭や腰を温めることだということです。

なかでも足は冷えると指が縮こまって転倒や骨折につながる危険もあるため、厚手の靴下や靴下を2重に履くなどして保温してほしいとしています。

ペットボトルなどにお湯入れ湯たんぽ代わりに

炊き出しなどがあり、お湯が手に入る場合はペットボトルなどにお湯を入れて湯たんぽ代わりにし、暖をとることも効果的だということです。

その際には、低温やけどをしないよう肌には直接あてず、服やタオルごしに温めるようにして、高齢者や体にまひがある人は熱さを感じにくいため、周りの人が注意してあげてほしいとしています。

重ね着をして空気の層を作る

重ね着をして空気の層を作るのも効果的で、衣類が十分にない場合は新聞紙や荷造り用の緩衝材、新品のゴミ袋など身の回りにあるものでも代用できるということです。

また、新聞紙や段ボールは足元に敷くと冷気を防ぐことができます。

できるだけ体を動かすよう心がける

寒いと体を動かすのを控えがちですが、体がこってくると血の巡りが悪くなり寒さを感じやすくなるため、首を回したり、腕を上げて脇の下を伸ばしたりするほか、手首や足をぶらぶらと振るだけでもいいのでできるだけ動かすよう心がけてほしいということです。

特に足の指を動かしたりふくらはぎを下からもみあげたりするのは、エコノミークラス症候群の予防にも効果があるとして、こうした運動を互いに声をかけあって一緒に行うことを考えてほしいとしています。

このほか、感染症対策にもなるので少しでも口をうるおし、加湿することを心がけてほしいとしています。

佐々木准教授は次のように話しています。

佐々木准教授
「本当に苦しく厳しい環境で避難生活を送っている人が多いと思います。ひとりで我慢せず、まわりの人たちと自分の状況や気持ちを分かち合っていただきたい。対策をしても震えが止まらないなど異変があれば医療者に相談してほしい」

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