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冬用タイヤでも立往生 雪道にはチェーン! 車載しておきたい備えは

  • 2022年12月23日

雪に備えスタッドレスタイヤに交換した方も多いと思いますが、それだけでは十分ではありません。国土交通省によりますと2021年度に各地で立往生を起こした車両でタイヤの種類が確認できている263台のうち、およそ90%は冬用タイヤに交換していたということです。チェーン装着のほか、万一に備え車載しておきたいものなど、立往生をはじめとした雪道対策についてまとめました。

重く湿った雪 深いわだちでスタック

記録的な大雪の影響で、長岡市や柏崎市などの国道で立往生や渋滞が相次いだ2022年12月19日から2日間、長岡市にある防災科学技術研究所 雪氷防災研究センターは長岡市などで路面の状況を調べました。

中村一樹センター長によりますと、今回の雪は重く湿った「ざらめ雪」で、「ざらめ雪」が積もった路面を車が通って深いわだちができ、タイヤが空回りする「スタック」と呼ばれる状態につながったとしています。

中村センター長
「柔らかい雪に入るとハンドルをとられたり、スリップしたりする可能性がある。やむを得ず車を運転する場合は雪が積もった道に入らないようにしてほしい」

冬用タイヤでも立往生 チェーン未装着が7割

こうした中、各地のカー用品店などでは冬用タイヤに交換する人が増えています。ただ、冬用タイヤの装着だけでは備えは十分ではないようです。

〇タイヤの種類
2021年度に北海道から中国地方の各地で立往生を起こした車両は、国土交通省が確認できただけで367台にのぼりました。
タイヤの種類が確認できている263台のうち、230台(87%)は冬用のタイヤに交換していました。このうち、チェーンの装着状況が確認できている196台をみますと、装着していたのは46台(23%)にとどまり、未装着が150台(77%)に達していました。

〇道路の傾斜
さらに道路の傾斜を調べたところ、立往生は、勾配が4%を超えると多く発生し、比較的緩やかな勾配3%以下の道路でも全体の2割近くにあたる57台が立往生を起こしていたということです。

〇車の大きさ
車の大きさごとに見ると、トラックやトレーラーなどの大型車が320台(87%)と全体の大半を占め、中型車が25台(7%)、小型車が22台(6%)でした。

スタック脱出が難しい大型車 チェーン装着が大事

防災科学技術研究所 雪氷防災研究センター 上石勲主幹研究員は「大型車は『スタック』を起こした際に脱出しづらく滞留の原因にもなるので、チェーンの装着が非常に大事だ」と指摘したうえで、「滑りやすい雪が残っているところに雪が降りその量が多くなると『スタック』しやすい状況になるため車の使用を控えることが大事だ」と話しています。

その上で、やむをえず車を運転する場合は、スタックしてしまった場合に備え、次のものを車に積んでおくことも大切だとしています。

立往生は首都高でも 冬タイヤやチェーンの準備を

雪が予想される地域で帰省など車を利用する際には積雪や吹雪、路面の凍結などによるスリップ事故や大規模な立往生に特に注意が必要です。

自動車のスリップ事故や大規模な立往生は、雪の多い地域だけの問題ではありません。2022年1月の大雪で首都高速道路では、トラックが横転する事故が起きたほか、およそ10時間にわたって立往生が発生した道路もありました。

車を運転する際にまず確認したいのは「冬用タイヤ」や「タイヤチェーン」の準備です。夏用タイヤで雪道を走るのは非常に危険なうえ、スリップすると事故や渋滞につながります。すでに冬用タイヤに交換した人もゴムが摩耗していないか、いま一度確認してください。

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