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夏だ!花火大会だ!進化続ける優美な世界を花火写真家と巡る  

  • 2023年7月28日

夏の夜空を彩る花火。
2023年、ことしの夏は、隅田川花火大会など、全国各地で4年ぶりに打ち上げ花火大会が再開され、花火を楽しむのにはぴったりの年!
そこで、最新の打ち上げ花火のみどころや、子どもから大人まで楽しめる“おもちゃ花火”の魅力を、花火写真家の金武 武さんに教えてもらいました。

花火写真を撮り続けて40年以上!「花火は芸術作品」

花火写真家の金武 武さん。コロナ禍前は、年間100回ほど花火大会に行き、夜空に浮かぶ美しい姿を写真に収めてきました。
金武さんによると、「花火はリアルで楽しむ芸術作品。色の美しさ、音の迫力・消えてなくなるはかなさ。他に変わる芸術品はない」といいます。

花火に魅せられて40年以上。全国の花火師たちが、試行錯誤しながら時代と共に進化させてきた花火の魅力を伝えようと活動を続けています。
そんな花火を知り尽くした金武さんとともに、伝統を守りながら美しく進化する花火の世界へ!

打ち上げ花火!魅力のひとつは“色”

金武さん

昔は単色の花火が多かったけれど、最近は、一筋の光も、赤やピンク、青や水色、紫に緑などさまざまな色に変化しています。花火師さんが色の配合を綿密に考えながら生み出しているんですね。
そのあたりはぜひ注目してほしいですね。

花火の街・山梨県市川三郷町 花火師の魂宿る“色”の魅力

毎年8月に行われる山梨県市川三郷町の花火大会。その起源は江戸時代。当時、日本三大花火大会に数えられ、以来、花火づくりの伝統が引き継がれています。

訪ねたのは老舗の花火工場。
色の根源となる火薬を詰めている作業を見せていただきました。

これが、火薬の一部。
海外から輸入した粉末の火薬を混ぜて色を作り出します。

一人前の花火職人になるにはおよそ10年かかるといいます。
納得のいく色が出るまで何度も試行錯誤を重ね、ピンクや水色、黄緑など、淡い色のパステルカラーを生み出していきます。

 

花火メーカー4代目 齊木克司さん
「今まで見たことのない色、作ったことのない花火を見てもらおうと、花火師たちは日々挑戦し続けています。花火の球一つ一つに魂を込めて作っている。魂の設計をしていると思ってやっているんです」

コロナ禍に“おもちゃ花火”開発 手元で打ち上げ花火の世界を

コロナ禍で打ち上げ花火大会が軒並み中止になる中、この花火工場では、手元の“小さな世界”で打ち上げ花火を表現しようと、「おもちゃ花火」の開発に着手。打ち上げ花火と同じ火薬を使い、色の鮮やかさに加え、ダイナミックな迫力を作り出しました。

 

コロナ禍で外出ができなかったとき、こうした花火師さんたちが作るおもちゃ花火は、美しい光と共に私たちに元気をくれました。手持ち花火もどんどん進化しているんですよ。

花火の街 “おもちゃ花火”の進化は止まらない!

進化を続けるおもちゃ花火。市川三郷町にあるおもちゃ花火の専門店を訪ねてみると…。
昔からあるなじみのおもちゃ花火から最新のおもちゃ花火まで、常時400種類以上が並んでいるそう。

中でも、最近の流行のおもちゃ花火とは…!?

煙が少ない!最新のおもちゃ花火

 

最近のおもちゃ花火は煙が出ないように改良されているものが多いです。
中でも私のおすすめ、好きな花火はこれですよ!

脱脂綿に緑色のオイルを浸して火を付ける「ひとだま花火」。夜空に浮かぶ緑色の光が、不気味な夜を演出します。 
肝試しにぴったり!

火薬が富士山の形をしている「富士山花火」。頂上に火を付けると、白くて明るい光が左右に広がります。
輝かしくて縁起のよさそうな金色の火花が咲き誇ります。

人気が再到来!リバイバルおもちゃ花火

 

コロナ禍で、家族でおもちゃ花火をする人が多くなり、親が子どものころに楽しんだ花火が再び注目されるケースが増えました。パッケージを見て、懐かしいと感じる人も多いのでは?

水の中に入れても消えない「金魚花火」。水の中に入れると、ぷくぷく泡を吹く姿が、とっても愛らしい花火。

こちらの花火は、点火した後、4本の花火に同時に火が付き、踊るように火花をまき散らします。
揺れ動くユニークな姿が、今も昔も子どもから大人気。

ことしから登場!地元特産の“ぶどうの木”で花火を

 

山梨県ならではのぶどうの木の廃材で作った花火。
地域に根づいた花火というのが何よりうれしくて、私のイチオシです!

花火の街・市川三郷町ならではのおもちゃ花火を作ろうと、おもちゃ花火専門店の店主がみずから作り出した「ぶどうの炭火の花火」。
ぶどう栽培の過程で剪定(せんてい)された枝を炭にして火薬にし、優美な花火を作ることに成功。
きめ細かい火花が柳のように舞う姿が特徴で、地元の花火店などで販売しています。

さまざまに進化を続ける花火の世界。ぜひみなさんも花火で彩る夏の思い出作ってみませんか?

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