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歌舞伎俳優・中村時蔵さんなど訴え 国立劇場の再開時期見通し立たず「文化存続にかかわる」

  • 2024年2月19日

歌舞伎、日本舞踊、文楽に講談…伝統芸能の拠点だった、東京・千代田区の国立劇場は建て替えのため、去年(2023年)閉場しましたが、再開時期の見通しが立たなくなっています。「劇場の空白期間が長引けば、文化の存続に関わる」。歌舞伎俳優の中村時蔵さんや日本舞踊の西川箕乃助さん、長唄の杵屋勝四郎さんなどが危機感を訴えました。

国立劇場の建て替え問題とは

国立劇場は老朽化による建て替えのため去年10月末に閉場しました。ホテルやオフィスなどの施設をあわせて建てるという民間の資金を活用した再整備事業です。おととし以来、2度にわたり入札の不調などが続き、当初、5年後の2029年秋としていた劇場の再開時期の見通しが立たなくなっています。

伝統芸能の実演家が訴え

こうした事態を受けて、歌舞伎や文楽、日本舞踊など伝統芸能の各ジャンルの実演家たち10人が16日に会見を開き、劇場の空白期間が長引けば文化の存続に関わるとして、早期の劇場再開を訴えました。

歌舞伎俳優の中村時蔵さん
「大変ゆゆしき問題だ。国立劇場が長く取り組んできた歌舞伎の通し狂言や復活狂言などを再開するためにも次は入札がうまくいってほしい」

日本舞踊の西川箕乃助さん
「今後10年もこの状態が続けば、発表の場をどこに求めればいいのか。舞踊に関連する仕事でもすでに廃業する流れがあり日本舞踊の危機を感じる」

長唄の杵屋勝四郎さん
「再開までのブランクを考えると長唄の存続や古典芸能ばなれに危機感を感じる。次世代を育てるためにも早く再開してほしい」

入札不調の理由は 今後の見通しは

今回の入札の不調。理由について国立劇場は、このところの建設資材の高騰などが背景にあるとしていて、費用の削減を検討するとしています。

国立劇場再整備本部
「私どもの要求する水準を見直すことも含めて費用の削減を検討するとともに 建設市場の動向をきめ細かく把握し、早期に再整備事業の再開を図りたい」

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