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東京 不登校の児童生徒数が過去最多 不登校の女性は“柔軟対応”求める 子どもたちへのメッセージは?

  • 2023年10月13日

東京都内の公立の小中高校で、昨年度、不登校の児童や生徒数の合計は、前年度よりおよそ3割近く増え、過去最多となりました。

こうしたなか、不登校を経験した女性が都の教育委員会の会議で、子どものペースにあわせ柔軟に対応するよう呼びかけました。

昨年度の不登校 統計開始以来“最多”

都教育委員会によりますと、都内の公立の小中高校で、昨年度、病気や経済的な理由以外で30日以上登校しなかった「不登校」の児童や生徒数の合計は3万843人となりました。これは前年度に比べて27%増えていて、14年前に統計を取り始めて以来、最多だということです。

内訳は、小学校が1万695人、中学校が1万6217人、高校は3931人で、それぞれ前年度に比べ、小学校が35%、中学校が19%、高校は41%増えたということです。
このうち、小中学校は不登校の子どもの割合が10年連続で増えていて、中学校では、15人に1人が不登校の経験があったということです。

不登校の理由について小中学校では「無気力・不安」がおよそ6割を占めています。

都の担当者
「コロナで学校へ行く機会が減って生活のリズムを崩し、そのまま不登校になった子どもが増えているのではないか。学校以外の学びの場をいかに提供していくか検討していきたい」

また、いじめの認知件数も小中高校と特別支援学校で、あわせて6万6314件と10年前に統計を取り始めて以来、最多となりました。

不登校だった女性 “児童生徒の声に耳を傾け 柔軟性に”

東京都内で不登校の子どもが最多となるなか、不登校を経験した女性が都の教育委員会の会議で、子どものペースにあわせ柔軟に対応するよう呼びかけました。

都庁で開かれた都教育委員会の会議に招かれ、自身の不登校の経験を語ったのは、都内に住む木下結加里さんです。

都内の公立の小中高校で、昨年度、不登校の児童や生徒数の合計は、3万人を超えて過去最多となり、都の教育委員会は、不登校の経験者から当時の思いなどを聴いて対策につなげたいと招きました。

木下さんは、幼いころから集団行動が苦手で、小学3年生のころから中学生まで不登校の時期がありましたが、高校では趣味の料理をきっかけに友だちができ、文化祭で一緒に屋台を出すなどして居場所を見つけたということです。

その後、専門学校に進学して管理栄養士になったという木下さんは次のように話しました。

木下結加里 さん
「私の場合は高校に受け入れてくれる場所があり、学校に通えるようになった。これからの学校に期待することは、児童や生徒の声に耳を傾け、変わっていく柔軟性を持ち続けてほしいです」

また、子どもたちに対しては、次のようにメッセージを送りました。

「不登校の理由は1つではなく、いろいろあって簡単ではないので、不登校の子どもたちには、ゆっくり自分のペースで何が嫌になったのか考え、話したいときに話したいと思う人に相談してほしいです」

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