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渋谷駅 岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」修復作業はじまる

  • 2023年10月11日

東京・渋谷駅の連絡通路に設置されている巨大壁画「明日の神話」。
日本を代表する芸術家、岡本太郎が手がけたものです。
設置されてから15年がたって傷みが目立ってきたため、大規模な修復作業が始まりました。

岡本太郎が手がけた「明日の神話」

「明日の神話」は、岡本太郎が原子爆弾が炸裂した瞬間をイメージして描いた作品です。
「芸術は暮らしの中に生きるもの」という思いに応えようと、多くの人に見てもらえる渋谷駅の連絡通路に設置されています。

通行人

すごい感動です。ダイナミックでいいです。

通行人

真ん中の人のところがかっこいい。

壁画は、岡本太郎が1968年から1年がかりでメキシコで描きました。

長年、行方がわからなくなっていましたが、2003年にメキシコの資材置き場で見つかりました。修復作業が行われたあと2008年に現在の場所に設置されました。

痛みが目立ち大規模修復へ

設置から15年がたって、ひび割れや汚れなどが目立ってきたため、10日から大規模な修復作業が始まりました。

壁画が発見された際に修復作業を行った修復家の吉村絵美留さんも参加しました。

壁画は、高さが5.5メートル、幅が30メートルあり、この日は足場にのぼって専用の液を使いながら汚れなどを落とす作業が行われました。

壁画の設置場所は1日およそ30万人が通行し、衣類の繊維やほこりなどが壁画に付着しているほか、連絡通路の片側がガラス張りになっているため日光があたるなどして色の変化やひび割れが見られるということです。

今後は汚れを落とした上で、色をつけたりひび割れを直したりする作業が行われる予定で、すべての修復作業が終わるには数年かかる見通しです。

修復作業の費用の一部は壁画の保全や管理を行うNPO法人がクラウドファンディングで集めていて、現在は目標額まで残り200万円となるおよそ1600万円の寄付があったということです。

修復家 吉村絵美留さん
「クラウドファンディングに協力してくれた人からは『未来永ごう引き継いでいきたい』というメッセージが寄せられ、身が引き締まる思いです。原爆の被害を受けても未来に向けて生きていくという作品に込められた思いを多くの人に受け止めてほしい」

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