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  • 2023年8月10日

コロナワクチン 9月からどうなるの?対象年齢や接種券は?

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新型コロナウイルスのワクチン接種。 
厚生労働省は、9月20日から生後6か月以上のすべての人を対象に実施する方針を決めました。その背景やこれまでの接種と何が変わるのかなどをまとめました。

コロナワクチン 現在は?

新型コロナウイルスのワクチン接種は、まん延を予防するために緊急の必要があるとして接種費用を全額公費で負担する「特例臨時接種」として2021年2月から行われていて、今年度も継続されています。

さらに国は、まん延防止のため接種に協力をしてもらおうと、予防接種法上の「努力義務」と「接種勧奨」の2つの規定を新型コロナのワクチン接種に適用してきました。

このうち「努力義務」は、対象の国民は接種を受けるよう努めなければならないと規定しています。ただ、強制ではなく本人や保護者が有効性や安全性を考慮して接種するかどうかを決めることになっていて、受けなかったとしても罰則はありません。

また「接種勧奨」は、市町村が対象となっている住民に対して接種券やチラシを送るなど接種を勧めることを規定したものです。

ことし5月から始まった今年度の接種は基礎疾患がある人や高齢者など重症化リスクのある人や医療従事者が対象です。

重症となる人を減らすことを目的としていて、一度も接種をしていない人への「初回接種」については接種可能なすべての年齢の人に2つの規程が適用されていましたが、すでに2回の接種を済ませた人の3回目以降の「追加接種」については、高齢者など重症化リスクの高い人に限定して適用されていました。

9月からの子ども含め幅広く対象に

こうした中、国内でオミクロン株の派生型を中心に感染が拡大し、重症化リスクが高くない人にも一定程度、重症者が確認されていることから厚生労働省は、9日の専門家分科会でオミクロン株の派生型に対応したワクチン接種について、生後6か月以上のすべての人を対象に9月20日から行う方針を示し、了承されました。

使用するワクチンは流行の主流となっているオミクロン株の派生型の「XBB」系統に対応するもので、今後、承認の手続きが行われます。

また、法律に基づいて、自治体が接種券を送付するなどして勧める「接種勧奨」や、接種を受けるよう努めなければならないとする「努力義務」の規定については、今回は、重症化リスクの高い人にのみ適用するということです。 

一方、来年度以降の接種については、対象者や費用負担のあり方などについて、あらためて部会で議論したうえで決めることにしています。

秋からの接種はどう変わる?

9日に開かれた厚生労働省の専門家分科会では生後6か月以上のすべての人を対象に9月20日から接種を行うとしたうえで、高齢者や基礎疾患がある重症化リスクの高い人にのみ「努力義務」や「接種勧奨」を適用することを決めました。

一方、昨年度までの接種では「努力義務」「接種勧奨」が適用された65歳未満の人や6か月から11歳の子どもも健康であれば、9月の接種からはこうした規定の対象となりません。

このため、こうした人たちは接種の対象にはなるものの、これまでのように接種券やチラシを送るかなどは自治体ごとに判断されます。

9月20日以降の接種について…厚生労働省は

厚生労働省は9月20日以降の接種については「重症化予防することを目的に『努力義務』などの適用範囲を変更するが、これまで重症化リスクが高くない人であっても重症となった人が一定程度は生じています。接種の機会は生後6か月以上の全員に提供されるので、接種を悩まれる方は、これまでと同様に国のリーフレットなどを参考に個人の判断で検討してほしい」としています。

この方針の背景には?

この方針を決めた背景には、ことし3月にWHO=世界保健機関が次のように新たな指針を示したことがあります。

WHOが示した新たな指針 
「高齢者などにはさらなる追加接種を推奨する一方、健康な乳幼児、子ども、大人に対するさらなる追加接種は定期的には推奨せず、健康な乳幼児、子どもについては、初回接種についても、疾病の負荷などを踏まえた上で各国で検討すべき」

その理由については以下を上げています。

▽多くの人がこれまでのワクチン接種や感染によって免疫を獲得したこと 
▽現在流行しているオミクロン株は感染力が高い一方で重症度が低いこと 
▽主に高齢者などの重症化リスクの高いグループで感染による死亡が生じていること

新たな指針を示した上でWHOは、今後のウイルスの変異やワクチンの効果などを考慮し、将来の政策を検討することを各国に推奨していました。

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