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「人間の証明」森村誠一さん 死去 ふるさと熊谷で追悼の声

  • 2023年7月25日

「人間の証明」などで知られる埼玉県熊谷市出身で作家の森村誠一さんが、7月24日に亡くなりました。90歳でした。ふるさとの熊谷では生前の功績をたたえるとともに悼む声が聞かれました。

小説「人間の証明」などで知られる

森村誠一さんは1933年に埼玉県熊谷市で生まれ、大学卒業後、東京や大阪のホテルに勤務しながら執筆活動を始めました。1969年にホテル勤めの経験を生かしたミステリー作品、「高層の死角」が江戸川乱歩賞を受賞して人気作家となり、1973年には原子力をめぐる研究者や企業による利権争いを題材にした「腐蝕の構造」で日本推理作家協会賞を受賞しました。

敗戦後の混乱に端を発した殺人事件を通じて人間の本性を描いた作品「人間の証明」や、自衛隊を題材にした意欲作、「野性の証明」は、映画にもなって大ヒットしました。
また、ノンフィクション作品「悪魔の飽食」では、細菌兵器の開発にあたった旧日本軍の「731部隊」について描きました。

出版社の「KADOKAWA」によりますと、森村さんは、7月24日、肺炎のため東京都内の病院で亡くなりました。90歳でした。

出身地 埼玉・熊谷では

森村さんの出身地、埼玉県熊谷市では生前の功績をたたえるとともに悼む声が聞かれました。高校卒業まで熊谷で過ごした森村さんは市に自身の作品や愛用品などおよそ2400点を寄贈し、地元の図書館には展示コーナーが設けられています。

また、森村さんが愛用したいすに座ったり、自筆の原稿や「人間の証明」などの作品の構想を練ったノートのレプリカを間近に見ることができます。
25日からは森村さんの功績を紹介するパネルも展示され、作家となった原点が、12歳のころに体験した熊谷空襲だと語っていたことなどが紹介されています。

また、森村さんは、風景や人々などの写真から連想して俳句を作る「写真俳句」を提唱し、市が開くコンテストに森村さんも数年前に体調を崩すまでは審査員として参加していました。

図書館を
訪れた人

長年、熊谷を愛しながら多くの作品を書いていたのでとても残念です。

 

森村さんと交流があった熊谷市立熊谷図書館 学芸員 大井教寛さん
「郷土・熊谷を忘れず、PRしていただきました。今後も展示を通じて先生の作品と業績について顕彰していきたいです」

 

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