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千葉駅周辺でイノシシ出没 かまれて3人けが 捕獲の一部始終は

  • 2023年10月25日

25日未明、千葉市の中心部にイノシシが現れました。周辺では相次いで目撃情報が寄せられ、午前9時すぎ、警察などによって港で捕獲されました。

目撃した男性1人と、捕獲にあたった警察官2人をかんでケガをさせたイノシシ。

捕獲の一部始終をNHKのカメラマンが撮影していました。

千葉駅近くでイノシシ目撃

警察によりますと、千葉市中央区の住宅街などで、25日午前0時すぎから、イノシシの目撃情報が相次いで寄せられました。

目撃情報があったのは、JR千葉駅や千葉みなと駅の周辺の次の地域です。

 

赤丸が通報場所、黄丸の場所で捕獲
(地図はグーグルマップより)

警察に寄せられた通報は次の通りです。

●午前0時14分 中央2-3-16

●午前0時21分 新宿2-8 上中公園

●午前0時23分 登戸1-15-32

●午前0時25分 新田町16-7(セブンイレブン千葉新田町店)

●午前0時半 新宿2-15-1(新宿小学校)

●午前0時40分 中央3丁目10-8(千葉市美術館)

●午前0時42分 出洲港1-3 30代男性がかまれる

●午前0時45分 出洲港12-23

●午前0時55分 登戸1丁目

●午前0時58分 登戸2-2-7 タクシーと事故

●午前0時59分 千葉駅西口ロータリー

●午前0時59分 登戸2-7-3

●午前1時10分 新宿2-15-1

消防によりますと、出洲港では、30代の男性が住宅の敷地内でイノシシに左足をかまれました。病院に搬送されましたが、命に別状はないということです。

一夜明けてイノシシ捕獲

警察は、住宅街や学校の付近を中心にパトロールを行い、猟友会などにも協力を呼びかけ、午前9時すぎ、千葉市中央区中央港で捕獲しました。

捕獲された様子

その一部始終を、NHKのカメラマンが撮影していました。

警察は突堤の先の海上で泳いでいるイノシシを確認し、機動隊の警察官10人ほどが現場に駆けつけました。

そして、陸に上がったイノシシを警棒やさすまたなどを使って取り押さえようとしますが、激しく抵抗されます。

イノシシにかまれる警察官もいました。

なかなか捕獲できない中、警察は大きな網を張って確保を試みます。

そして攻防の末、ついに捕獲に成功しました。電気ショックで意識を失わせたということです。

網の中で捕獲されたイノシシ

捕獲にあたった警察官2人が足をかまれ、ケガをしたということです。

捕獲には船も加勢

千葉市によりますと、捕獲されたイノシシは、体重42キロあまり、体長1メートルあまりのメスで、捕獲後、処分されて千葉市緑区内の山林に埋められたということです。

撮影したカメラマンは

映像を撮影した、NHK千葉放送局の大溝浩カメラマンに現場の状況を聞きました。

大溝カメラマン

午前8時ごろに呼び出し対応で出勤し、カメラを携えて警察の動きを取材し始めました。

午前8時半ごろに千葉市役所近くをパトカーが走っているのを見つけたので、「イノシシに注意」「気をつけてください」という音声を流す様子を撮影できればと思い、パトカーを追いかけました。

大溝カメラマン

パトカーは港の方で停まり、警察官が降りてきて工事現場のような場所に入っていきました。

警察官が長い棒のようなものを持っていたので、「もしかしたらここにイノシシがいるのかも」と思いながら、工事現場の柵の外から撮影していました。

午前9時ごろ、どこからかイノシシが現れて捕獲が始まりました。

大溝カメラマン

警察官は最初は8人くらいで、かなりバタバタしていました。捕まえようとする警察官にイノシシが抵抗し、2人くらいが倒されたか、転んだように見えました。その後、徐々に警察官の数も増えてきました。

私は200メートルほど離れたところから撮影していて、目の前に重機があったので、捕獲の瞬間は見えませんでしたが、警察官が抑えつけるような体勢を取っていたので、捕獲されたのだとわかりました。制服が上下とも泥だらけになっている警察官もいました。

大溝カメラマン

イノシシは興奮している様子で、なんとかしてこの場から逃げ出そうというような感じでした。

「イノシシ定着の可能性も」

宇都宮大学 雑草管理教育研究センターの小寺祐二 准教授は、周辺地域でイノシシが定着している可能性があると指摘しています。

小寺准教授

千葉市の東側の山間部から博物館や公園、学校などの点在する緑地帯や、川を伝って市街地に出てきた可能性が高いです。

住宅地にあえて緑を残している場所や、大きな道路の中央分離帯など、やぶがある場所なら、イノシシは問題なく移動することができます。

小寺准教授

県内では、房総地域を中心に県央部から県北にかけて、すでにイノシシの分布が確認されていたので、市街地での出没は以前から危惧されていました。

今回、まさに千葉市の中心部分に出てきてしまったので、周辺の緑地帯では、イノシシが定着していると認識した方がいいです。

小寺准教授

イノシシは通常、臆病で人の姿を見たら逃げていきますが、周りがコンクリート塀などで囲まれた環境の場合、人間に向かっていくしかなく、かまれたりする恐れがあります。感染症を媒介する可能性もあるので、注意が必要です。

対策としては、緑地帯に下草が生えていれば、1メートルほどの高さでも絶好の隠れ場所になるので、雑草の刈り取りを行うなどの環境整備を行うといいです。

実際に街なかで出会った場合には、速やかにその場から離れ、自治体や警察などに連絡してください。

市民の受け止めは

イノシシが目撃された千葉駅西口で、地域の人に話を聞きました。

30代保育士

子どもたちが園にいるので、怖い気持ちはありますし、捕まってよかったです。これで安心してお散歩に出られます。近くの公園で遭ったら、どうしようと思います。

近くに住む高齢者

千葉県でも、千葉市内ではなくて山奥のほうなら、出てくるのも分かりますが、50年千葉に住んでいて初めて聞いたので、びっくりしました。遭遇したら怖いですね。

近くに勤める会社員

こういう都会に出るのは珍しいですよね。遭ったときの対処法を知らないので、恐怖はありますね。

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