昨日は気候変動・地球温暖化のギモンについて勉強したナッツ。
何とかしないといけないナ。
きょうは気候変動を食い止める対策について、荻原記者に聞くラッカ。
どうやら、僕もいた土の中に二酸化炭素を埋めちゃうんだって。
でも、二酸化炭素って空気に含まれてるよね?どうやって埋めるのかナ?
教えて!荻原記者!
一体何を使って二酸化炭素を土に埋めるの?
ずばり「炭」なんだよ!
炭!?どういうことラッカ?
これが二酸化炭素を埋めるカギになる炭、その名も「バイオ炭」だよ。
普通の炭みたいだナ。どういう仕組みで二酸化炭素を埋めるの?
植物は、大気中の二酸化炭素を取り込んで酸素を排出する光合成を繰り返しながら、炭素をため込むよね。
枯れて土に返ると、炭素は酸素と結びついて二酸化炭素となり、再び大気中に放出されるよ。
そこで、枯れる前に植物を炭にすることで、炭素を閉じ込め、二酸化炭素になるのを防ぐことができるんだ。
国は一定の条件を満たして作られる炭を「バイオ炭」と呼んで気候変動対策のひとつとして位置づけているよ。
ラッカ星人も光合成をしているから分かるラッカ!
それに、炭素をため込んでいるんだけど…「バイオ炭」にされてしまうのかナ!?
安心して!光合成を行う貴重な植物をなんでもかんでも炭にしてしまうわけではないよ。
バイオ炭は、材料の条件として、
▼国内産であること、
▼間伐材など、捨てられるような植物であることなどが定められているんだ。
ラッカ星人は食べられるから、バイオ炭にはならないね。
よかったラッカ…でも、食べられちゃうラッカ!?
この炭を土に埋めるんだナ?
さすがラッカ星人、鋭いね。
千葉県北西部の北総地域で有機農法に取り組む農業グループが、この「バイオ炭」を農業に生かそうとしているんだ。
このグループが着目したのは、炭の高い吸水性。畑にまくと、水はけがよくなったほか、肥料の軽減などの効果が実感できていると言っているよ。これから研究などを重ねていくことで効果を実証したいとしているんだ。
農業にいい効果も得られて気候変動対策になるなら、一石二鳥ラッカ。
ところで、バイオ炭はどうやって作られているの?
この農業グループでは、バイオ炭作りにも取り組んでいるんだけど、このすり鉢状の台をつかうんだ。
火が出てるラッカ!これじゃ二酸化炭素がドンドン出ちゃうよね。
確かに表面の部分は燃えていて、二酸化炭素は放出されているよ。
でも、そもそも植物は二酸化炭素を吸収して育ったあと、枯れて二酸化炭素を放出しているよね。枯れる前に、「炭」として炭素を固定することができれば、大気中の二酸化炭素の削減につながるんだよ。
この農業グループでは、ことし11トンのバイオ炭を製造していて、二酸化炭素およそ20トン分の放出を防ぐ効果があったんだ。日本人1人が排出する温室効果ガスの量の2年半分にあたるね。
農業にも、気候変動にも効果があってすごいナ!世界で広がれば気候変動を食い止められるんじゃないのかナ?
世界中で普及させようという動きは進んでいるよ。
2015年のCOP21では、「4パーミル・イニシアチブ」というものが提唱されたんだ。
「4パーミル」っていうのは、「0.4%」のことだね。
人間の経済活動などによって1年間に排出される二酸化炭素は、炭素量に換算して年間100億トン。ここから植物の光合成などで吸収される57億トンを差し引いて、毎年43億トンの炭素が大気中で増えているんだ。
これに対して、現在、地表の土の中にある炭素の量は地球全体で9000億トン。これを年間0.4%ずつ増やすことができれば、大気中への排出量とほぼ相殺できるため、気候変動の抑制につながるという考えなんだ。
この「4パーミル・イニシアチブ」には、日本を含む多くの国々が賛同しているんだよ。
日本は「バイオ炭」を活用するなどして、2030年までに二酸化炭素850万トンを土の中に閉じ込めるという目標を掲げているんだ。
難しいけど、「バイオ炭」で土の中の炭素の量を増やして、空気中の二酸化炭素を減らそうっていう動きは、世界中で進んでいるんだナ!
バイオ炭で作った野菜はどこかで買えるのかナ?
主にイベントやインターネットで販売しているよ。
ことし9月にはJR千葉駅で開かれたイベントに出店して、たくさんのお客さんが野菜を買っていったよ。
しかし、お客さんからは「気候変動対策につながる取り組みだとは知らなかった」という声が多く聞かれたんだ。
認知度はまだまだラッカね。どんどん広まっていくといいラッカ。
そうだね。国は2030年までに二酸化炭素850万トン分の炭素を土の中に閉じ込める目標なんだけど、2020年度の達成状況は半分以下の271万トン分。取り組みを加速させていく必要があるよね。
「バイオ炭」づくりに取り組む人は、次のように話しているよ。
農業グループ事務局長 喜屋武誠司さん
「いまは販路の拡大が課題となっていて、ロゴマークを見たら気候変動対策に取り組む野菜だと分かってもらい、手にしてくれる人が増えていくことを目指しています。
今後は、本格的な炭の製造拠点を作りたいと思っているので、自分たちができることに取り組みながら、農業分野でできる脱炭素に向かって仲間を増やして、つながりを増やしていきたい」
新しい気候変動対策を1つ知ったラッカ。積極的に環境に優しい農法で作られた野菜を選ぶようにしたいナ!
私たちも、この野菜を食べることで気候変動を考えるきっかけにしていきたいね。
荻原記者、ありがとう!
きょうは野菜に関係する気候変動対策だったけど、あすは唐揚げが関係してるんだって!成田支局の佐々木記者に聞くんだナ!