ページの本文へ

  1. トップページ
  2. うまいら!
  3. 2023年10月5日放送『なまり節』

「なまり節」

2023年10月5日放送

「なまり節」
産地:焼津市

なまり節は、かつお節を作る最初の工程にあたるもので、いわば乾燥させる前の生のかつお節です。
かつおの水揚げが多い街で、江戸時代以降から盛んに作られてきた歴史があり静岡県は、なまり節の生産量日本一を誇ります。


今回訪ねたのは、焼津市にある明治10年創業の老舗なまり節工場です。
材料に使うのは、一本釣りのかつおです。
1本1本船の冷凍室に入り、すぐに凍結するため、鮮度がいいのが特徴です。
鮮度がいいものを使うことで、しっとりおいしいなまり節になるといいます。


さばいたかつおを「セイロ」と呼ばれる箱に並べて、赤外線のライトで乾燥させます。
かつおの特徴であるしま模様の皮が剥がれてしまうのを防ぐためです。
85℃前後の湯で30~40分じっくり釜ゆでしたら、骨を1本1本取り除きます。
最後の工程は、くん製です。火が強すぎるとなまり節が焦げてしまうので、長くじっくり燃える楢(ナラ)の木がなまり節に適しているといいます。
かまどの上に山のように重ねたセイロを、火のとおり具合を確認しながら上下や手前と奥を入れ替えながら仕上げます。
この方法は「手火山製法」と呼ばれる昔ながらの製法です。
いい香りを出して、かつおのうまみを引き立てることができるといいます。


なまり節工場6代目の山口高宏さんは
「焼津の伝統産業として、存続していくことが自分の使命。
おいしいなまり節を作り続けて、皆さんになまり節のおいしさを知ってほしい。」
といいます。

なまり節は“万能食材”


なまり節は作る過程で塩など味付けしていないため、かつおのうまみをダイレクトに楽しむことができます。
「サラダ、煮物、炒め物、どんな料理にも合う。そして、くん製の香りやしっとり感があっておいしい。万能食材」と、山口さんはいいます。

うまいら!トップページへ戻る