八木山に響き渡る"ある動物"の声。正体は?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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一体どういうことなのか、今回は調査員が向かいました!


投稿してくれた人に詳しく聞いてみた!

今回投稿してくれたのは、大学生のかずさんです。
小学2年生のときから八木山に住んでいるというかずさん。
朝に聞こえてくる動物の鳴き声が昔から気になっていたそうです。

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かずさん
「サルっぽい声が、毎朝ではないんですけど聞こえるときがあって、それが本当にサルの声なのかっていうところと、本当に朝鳴いているのかというところが疑問で質問させていただきました。」


かずさんの住む場所から動物園まで、直線距離で600メートル以上離れており、相当大きな鳴き声ではないかといいます。


飼育員さんに聞いてみよう!

飼育員の山﨑 槙さんにお話を伺いました。

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調査員
「朝にサルのようなすごく大きい声がするという投稿があったんですが…」
山﨑さん
「おそらくなんですが、それは類人猿の一種である『フクロテナガザル』という動物の声だと思います。
フクロテナガザルというのは、のどのところに大きな袋をもっていて、それをふくらませることで遠くまで大きな音を響かせることができます。
朝、寝室から外に出てくるタイミングで鳴くことが非常に多いので、近くに住んでいる方は朝聞くことが多いのかなと思います。」


さっそく、フクロテナガザルのもとへ案内してもらいました。

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「フクロテナガザル」は名前に「サル」の文字が含まれますが、正確にはゴリラなどが属する類人猿の一種です。
生息地は東南アジアのスマトラ島やマレー半島の熱帯雨林。
その鳴き声は半径2キロ以上響くこともあると言われています。

八木山動物公園では、オスとメスがペアで生活しています。
こちらがオスのジャン。

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そしてメスのイッチです。

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鳴き声を聞きたい!

常に鳴くわけではないというフクロテナガザル。
鳴く可能性が高い朝9時すぎ、寝室から展示棟へ出る瞬間を待ちました。
しばらくすると…

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雨の日はあまり鳴かないと言われていましたが鳴いてくれました!
(ぜひ動画でお聞きください!)

フクロテナガザルの独特な鳴き声は全国でも注目を浴びています。
こちらは名古屋市東山動植物園のケイジ。
その鳴き声は…

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鳴き声が「うれいを帯びたおじさんの叫び声のようだ」としてテレビで取り上げられ大人気に。
園では、ケイジの鳴き声が効けるグッズまで作ったそうです。
(こちらもぜひ動画でお聞きください!)

どうして朝に鳴く?

ジャンとイッチはなぜ朝に鳴くのでしょうか?

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山﨑さん
「野生だと大きな鳴き声を出すことによって縄張りを示したりコミュニケーションを取り合う役割があるんですけれど、動物園では興奮してテンションが上がったときなんかに鳴くことが多いです。」
調査員
「朝出てくるときはテンションが上がって鳴いているんでしょうか?」
山﨑さん
「だと思います。」


テンションが上がっているときに鳴くことが多いということなんですが、夕方にエサをやった後に鳴くこともあるそうです。


安藤のひとこと。

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安藤さん
「皆さんも生活の中の音に耳を澄ましてみると、身近なのに今まで知らなかった世界が広がるかもしれませんので、ぜひ忙しい中でも耳を澄ましていただけたらと思います。」





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