登米市のオランダ風車、なぜ造られた?

今回のみやぎUP-DATEでは、こちらの投稿にお応えします!

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連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台にもなった登米市。
長沼に建つオランダ風車はドラマ内でも映っていましたが、どんな経緯で建てられたのでしょう?

はじめに


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3月16日に起きた地震で、登米市では震度6強の地震を観測しました。
オランダ風車も、大きな亀裂が入ったり外壁のタイルが剥がれたりする被害を受け、現在は羽が回らないようにしてあり1階の展示スペースにも入ることができません。
今回の調査は地震の2日前に行ったものです。


実物を見てみよう!


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さっそく、オランダ風車がある「長沼フートピア公園」にやってきました。
とても広々としていて見晴らしがよく、建物の外観もレトロな配色でかわいらしいです。

階段を上っていくと…


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ありました!

近くで見るとかなりの大きさ。
高さ約21メートル、羽の全長は約24メートルあるというこの風車。
9つの町が合併して登米市になる前の1991年、まだ“迫町(はさまちょう)”だった時代に建てられました。
正式名称は「粉挽(こなひき)用タワーミル」ですが、この風車には「白鳥」という名前が付けられています。


所長さんにお話を聞いてみた!


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佐藤さん
「オランダから材料を持ってきてここで組み立てられたので、もう迫力はものすごいです。
風速2~3メートルぐらいから10メートルぐらいの間で、風向きに合わせて本当に風力のみで動いています。」


栗駒山からくる「栗駒おろし」という強い風で回っているのだそう。
しかし、風車が建てられたのは30年前。
建てられた経緯は佐藤さんには分からないということでした。


取材していると…


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佐藤さんにお話を伺っている最中に、オランダ風車が動き出しました。
作業用バルコニーに風車技師の方が出てきて、風車が回るように向きを調整していました。
(回っている様子は記事の最後にある動画の02:06ごろ~!)

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今回、特別に風車内部を見せていただきました。
内部には歯車があり、風車が回ると動き出す仕組みになっています。
長沼の風車で粉を引くことはありませんが、かつてのオランダではこの風車を粉ひきや水汲みの動力源として使っていたそうです。
だから「粉挽用タワーミル」というんですね。


建設当時の役場職員の方に聞いてみた!


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さて、本題の「なぜオランダ風車なのか」です。
迫町役場の職員として長沼の周辺整備などをした齋藤輝雄さんにお話を伺いました。

齋藤さん
「なにか特徴のあるものを、ということで、栗駒山も見えて沼がある立地を生かせるものを考えた時に“オランダ風車”だった。
環境がオランダに似ている…ギリギリ似させれば似ている感じなんでしょうけど。」

長沼ダムの建設事業が始まった昭和50年。
平成2年にインターハイが開催されるということもあり、ボート場を含む長沼の周辺環境全体を整備することになったのだそうです。
その際、齋藤さんたちは公園にシンボルを造ろうと考え、長沼の
丘陵地帯がオランダと似ていることから風車を建てることになった、とのことでした。
「地元を発展させたい」という地域の人たちの思いで建てられたんですね。


雄大な自然に囲まれた長沼フートピア公園。
大迫力な風車とかわいい色味の建物は、まるで外国にいるかのような印象で写真映えもバッチリ。
アスレチックなども充実しているので小さなお子さんと一緒に行っても家族で楽しめそうです。
風車の復旧には1年から2年程度かかるということですが、早く工事が終わり、またたくさんの人たちの笑顔が溢れる公園になって欲しいです。




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