プロ野球・楽天 梨田昌孝さん・岩隈久志さんが語る"巻き返しの鍵"

2023年のプロ野球が開幕して、約3週間。
リーグ内の対戦も一巡し、少しずつ明暗が分かれてきた。
10年ぶりのパ・リーグ制覇を狙う楽天イーグルスだが、打線が十分に機能せず、苦しい戦いが続く。
とはいえ、まだまだシーズンは序盤。
21(金)のテレビ中継(東北向け)で解説を務めた
梨田昌孝さんと岩隈久志さんにイーグルスのここまでの印象と今後へのキーポイントを聞いた。
(仙台放送局/黒住駿アナウンサー)

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▼2人の解説者の視点「巻き返しの鍵」―梨田昌孝さん

楽天イーグルスは、開幕カードの日本ハムとの戦いを2勝1敗でスタートしたものの、
その後は4カード続けて勝ち越しがない。チームの状態を上げる鍵を探る。

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まず梨田昌孝さんは、
楽天のチーム打率が.186とリーグ最下位(17日時点)にあるなか、
打撃面では2人の名前を挙げる。
2年目のキャッチャー・安田悠馬と、開幕から先発出場が続く山﨑剛だ。

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4/14(金)のホークス戦で今季第1号のホームランを放った安田は、
太田、炭谷両捕手との併用という中で、出場しながら、
打撃で結果を残している。(8試合出場で打率.333、打点4 ※17日時点)
代打や指名打者での出場も増えており、
調子がなかなか上がらない打線の中で奮闘中。
「打撃面では他の2人の捕手より前に出ている。
 得点力不足解消のキーマンになる」と梨田さんは考える。

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また、山﨑も開幕から好調だ。
6~9番を打つ試合が続いたが、
4/14(金)には1番打者として起用されるなど期待がうかがえる。
梨田さんは、
「強いスイングが出来る選手で、
 身体能力の高さを活かして長打も打てるのが魅力。
 守備も想定以上の働きを見せていて、
 ガッツのある選手の活躍は、重い雰囲気を変える可能性を秘めている」と、
山﨑を1番で起用する利点を口にする。

 

▼2人の解説者の視点「巻き返しの鍵」―岩隈久志さん

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岩隈久志さんは、投打の柱に注目する。
まずは、開幕投手を務めた田中将大だ。

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イーグルスで6度の開幕投手を務めた岩隈さんは、
2004年の近鉄時代に開幕12連勝も達成。
今季のイーグルスの開幕投手に指名された田中将大が、
経験値の高い安定感抜群の投球を見せていることに太鼓判を押す。
岩隈さんは、
「経験もあるし、今季は特に制球力が安定している。開幕投手となったことで、
チームの大きな期待を感じながら投げていることが良い方向につながっている」と話す。
実際に、これまで3試合で全て5回以上を投げ、失点は1以下。
17回2/3で奪三振も17個と、数字の上でも狙い通りの投球が出来ていることがうかがえる。
ここまで各カードの初戦を任される中、相手の一線級の投手との投げ合いが今後も予想される。
「好投を続けていけば、チームの大きな連勝にもつながっていく」と岩隈さんは期待をかける。

もう一人、打線の軸として、
新外国人のマイケル・フランコの存在感が高まることが必要だと岩隈さんは語る。

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「開幕戦のホームランも含め、長打を期待できる選手。
 なかなか打線全体の状態が上がらない中、
パワーヒッターのフランコの役割は大きい」。
開幕戦での3安打のような爆発力も秘めているだけに、起爆剤となり得る存在だ。

 

▼チームてこ入れの成果は?!

苦しいチーム状況の中、チームもてこ入れを行った。
11日以降、西川遥輝や鈴木大地、岡島豪郎といったベテランの野手陣が1軍に昇格。
経験値の高い選手が続々とチームに合流し、現状の打開を図ろうとしている。


(NHK仙台アナウンサー・黒住駿)