限界集落住んでみた岩手・岩泉町 たっぷり45分版 ~井上咲楽さんとディレクターが語り合ってみた~
限界集落住んでみた 岩手・大川集落編たっぷり45分版
放送日:2023年2月18日(土)午後5時5分~(総合・東北)
※放送から2週間は、NHKプラスで全国の方もご覧になれます!
限界集落住んでみた岩手編 担当したディレクターの馬久地 杜行です。
ディレクター1年目・29歳の私が過ごした1か月について、見届け人の井上咲楽さんと振り返ります。
馬久地 杜行 ディレクター
- プロフィール 北海道余市町出身・29歳
- 趣味・野鳥観察
井上咲楽さん 見届け人
- プロフィール 栃木県益子町出身
- 実家に帰ると妹と薪(まき)割り
岩手県岩泉町大川は盛岡市から車で2時間ほどのところにある山間の集落です。
集落での生活は、私の準備不足で始まりました。
冬が始まるというのに、暖房器具を一切持っていかなかったことです。
自治会長さんがストーブを貸していただいて、ついにはコタツまで…。
皆さんの優しさがなければ大変なことになっていましたね… 自らの不用意を反省しました。
ちょうど昨年(2022年3月)で閉校してしまった学校からチャイムが聞こえてきたときは、最初は怖いな…と思いましたね。住民の方々にはチャイムについて聞いて回りました。
すると、「学校を忘れないように」という理由はもちろん、「もうお昼か」「下校時間が来たか 夕食の準備をしないと」と、生活の合図になっていたようでした。
思いに触れるにつれ、聞こえ方が変わってきました。
腹痛になったときですが、集落は情報が回るのが早いとはよく言ったもので、あっという間に住民の方からの差し入れが来ました。皆さんからの暖かいお気遣いは止まず、ついには、いただいた食材だけで鍋料理やカレーを作るくらいになりました。
スーパーマーケットまでは車で30分かかりますが、食材には困りませんでした。本当にありがたかったです。
1~2週目を振り返って 井上咲楽さんと馬久地ディレクターの感想トークです。
3~4週目は、本格的な冬がやってくるなかで、「誰かが誰かを思う」光景に出会えたのではないかと思います。
厳しく冷え込んだ風のない朝、大川集落では家々からの薪(まき)ストーブや“オンドル”の煙がもくもくと広がり、雲海のような風景が広がるといいます。「みんな寒いのに起きてきたな~」と感じるんだと、高台に住む住民の方が、その光景を見ながらおっしゃっていました。
最終週は、閉店した商店に密着することで、時代の波に流されながらも、思い出やつながりを離すまいとする集落の姿を見ました。
取材の最後の最後、とある方がぽつりと言った「チャイムが鳴った瞬間、学校は生きている気がするんだよね」という言葉が忘れられませんでした。一度なくなってしまったものも、思いを寄せる人がいる限り生き続けるのですね。
3~4週目を振り返って、井上さんと馬久地ディレクターの感想トークです。