【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2024年4月7日(日)放送の<DJ日本史>のテーマは『リストラせずに生き残れ!』。
会社の経営が厳しくなってくると手をつけがちなのがリストラ=人減らし。それは今も昔もよくとられてきた方法ですが、歴史上には簡単に首切りに頼らず組織を立て直した例もありました。これまで尽くしてくれた人々を守りながら生き残る、その方法とは?

江戸時代初めの頃の伊達家仙台藩の例をご紹介しましょう。

伊達政宗は戦国時代、すごい勢いで領地を広げて一時は120万石にもなりました。ところがその後、天下統一の過程で領地を削られ62万石まで減ってしまいます。
こうなると普通なら家臣を減らすところですが、伊達家はその手をとりません。
領地が半分に減った中でどうやって藩を立て直したのか、その方法とは?


戦国時代なら他の大名を攻めて領地を奪い取ることもできましたが、天下泰平の江戸時代に入るとそれもかないません。そこでどうしたか?
取り組んだのが、荒れ地を開墾して田んぼを増やすこと、つまり新田開発です。もちろん新田開発は各地で行われたことですが、仙台藩の開発はものすごい勢いで進められました。
江戸時代初めは62万石、これが百年足らずの間になんと30万石も増加。つまり1.5倍の100万石近い実収を上げるまでになったのです。

では、どうしてそんなことが出来たのか? 理由の1つが、伊達家が採用していた制度にありました。

当時多くの藩で、家臣への報酬制度はお米を給料として与える給料制。
これに対し仙台藩では、主だった家臣に給料制をとりません。給料ではなく土地を振り分け、そこを支配させる制度をとりました。つまり、仙台藩の中にさらに小さな藩を作る、というイメージです。そしてその家臣たちに未開発の荒れ地も与えました。

その荒れ地、地元に根付いた家臣は自分の土地ですから、必死に開発していきます。
こうして開発のモチベーションを高めることで、藩の収入は大きく増加していくことになったのでした。

DJ日本史「リストラせずに生き残れ!」②