【出演者】
松村邦洋さん
堀口茉純さん
川久保秀一さん


2024年2月11日(日)放送の<DJ日本史>、テーマは「歴史を動かした、すご~いネットワーク」。歴史上では1人のずば抜けた個性の偉人が活躍することもありますが、反面、目立った人はいなくても、人と人との間に地道に張りめぐらされたつながり、広い結びつきが大きな力となって世を変えたこともしばしばでした。歴史を動かしたすご~いネットワーク、そのパワーとは?

ご紹介するのは、徳川幕府の基盤固めに貢献したすごいネットワークです。

戦国時代から江戸時代に変わると、幕府による大名の統制が進んでいきます。初代将軍の家康から3代将軍家光までの間に改易された大名家はおよそ130。その背景では、あるネットワークが大きな役割を果たしていました。
それは、柳生新陰流(やぎゅうしんかげりゅう)という剣術の流派のネットワークです。その影響力とは?


柳生新陰流という流派が一躍注目を集めるようになったきっかけは、将軍に剣術を指導する役を仰せつかったことでした。柳生宗矩(やぎゅうむねのり)が、2代将軍秀忠、3代将軍家光の兵法師範に抜てきされたのです。
つまり柳生家は、剣の扱い方はもちろん武士の心得も説く「将軍の師匠」という立場で大きな影響力を持つようになりました。

すると、そんな柳生家に多くの大名が接近してきました。自分の所にも柳生新陰流の一門を兵法師範として招きたい、という申し出が殺到します。大名側は、幕府中枢につながるパイプが欲しかったんでしょうね。
それらの申し出を受け、弟子たちは各地の藩へ。こうして、柳生新陰流のネットワークが築かれていきました。

やがて、ネットワークの中心にいる柳生宗矩の元には、全国に散った弟子から各藩の内部情報が伝わってくるようになります。
そんなネットワークを、幕府も積極的に活用。各藩の裏事情にまで通じた柳生宗矩を、大名家を監視する役職=いわゆる総目付(そうめつけ)に起用、目を光らせていきました。

江戸幕府による大名統制のウラには、こんなネットワークの存在があったんですね。

DJ日本史「歴史を動かした、すご~いネットワーク」②