2021年03月18日 (木)
2年ぶりのセンバツ高校野球 どんな大会に?
センバツ高校野球が19日甲子園球場で開幕します。高校野球では新型コロナウイルスの感染拡大後初めてとなる全国大会。どんな大会になるのか展望しました。
チームへの感染対策 PCR検査も導入
高校野球では、去年、春と夏の甲子園、さらに秋の明治神宮大会などすべての全国大会が中止となりました。新型コロナウイルスの影響はいまだ続き、2年ぶりの開催となることしのセンバツもさまざまな感染対策がとられます。その1つが、選手や監督などへのPCR検査です。まず、大会前に、およそ1000人を対象に実施。検査結果は全員が陰性でした。日本高校野球連盟の八田英二会長は「ふだんから感染対策に取り組んできてくれたおかげ」と胸をなで下ろしました。1回戦を勝ち上がったチームの選手など400人あまりには2回目も実施します。そして、感染が確認された場合は、集団での感染か、個別での感染かを重視して、大会にそのまま参加させるかどうかを決めることになっています。さらに、去年夏の交流試合でも行った消毒の徹底や握手の自粛は継続し、チームの宿舎では、1人部屋にすることや個別での配膳が推奨されています。
観客は上限1万人
今大会は1万人を上限に観客を迎えます。入場券はチケットを求める列で密ができるのを避けるため、すべて前売りの指定席としました。球場の入口には高性能の検温センサーを設置し、発熱の症状がある場合は、入場を断ります。空気をかくはんするための送風機なども設置されます。
アルプス席は、試合を行う学校の関係者のみ1000人までが入ることができます。ただし、ブラスバンドの演奏は、飛まつによる感染を防ぐために禁止となりました。その代わり、事前に各学校で収録した応援曲を、攻撃の際に球場のスピーカーから流すことが、急きょ、決まりました。多くの制限があるなかで開かれる大会を、できる限りの工夫で盛り上げようという思いがかいま見えます。
いつもと違う風景は開会式から
大会では、開幕直後からいつもと違う風景を見ることになります。感染対策で、開会式に参加するのは、1日目の試合に出場する6校のみ。入場行進も外野から内野に歩くのみと縮小されました。残りの26校は、事前に収録した行進の様子がビジョンに映し出されます。また、今大会は、東日本大震災から10年という節目に行われる大会です。選手宣誓をするのは、仙台育英(宮城)のキャプテン、島貫丞です。宣誓が決まったときには「東日本大震災から10年という年に選手宣誓をすることができ、すごくうれしい。被災した方々に勇気と感動を与えられるようにしたい」と話していました。
注目のカードが4日目に
出場32校の1回戦の組み合わせは、オンライン会議に参加した各学校のキャプテンがくじを選んで決まりました。今回は同じ地域の学校も1回戦から当たります。その中で、4日目の第2試合に、注目のカードが組まれました。智弁学園(奈良)と大阪桐蔭の試合です。去年秋の近畿大会の決勝でも対戦し、このときは、智弁学園が7対3で勝ちました。智弁学園は3番の前川右京選手、4番の山下陽輔選手と続く打線に迫力があり、投手陣も経験豊富な左のエース、西村王雅投手と右の本格派、小畠一心投手の2枚看板は大崩れしない安定感があります。一方、大阪桐蔭は、左の松浦慶斗投手と右の関戸康介投手はともに最速150キロを超える好投手で、打線もキャプテンの池田陵真選手を中心に切れ目がありません。智弁学園が再び勝利するのか、大阪桐蔭がリベンジを果たすのか、注目です。
2年ぶりに開催されるセンバツ高校野球。球児たちの一生懸命なプレーで、日本中が元気をもらえるような大会になると期待しています。
(担当:センバツ取材班 今村亜由美記者)