2021年11月01日 (月)
オリ番のつぶやき ~苦節25年の歴史に終止符~
25年ぶりのリーグ優勝を果たしたオリックス。
12球団で最も優勝から遠ざかっていた“苦節の歩み”を振り返るとともに、負の歴史に終止符を打った陰の立役者を紹介します。
「25年間、優勝できていなかったことがクローズアップされていたので、なんとかして、今の選手に優勝の経験を積んでもらいたかった。みんなが歴史を作ってくれた」
(オリックス・中嶋聡監督)
前回、オリックスが優勝したのは平成8年(1996年)にさかのぼります。
阪神淡路大震災よくとしの、このシーズンは「がんばろうKOBE」を合言葉に、仰木彬監督のもと、被災地・神戸を勇気づけようとチーム一丸となって戦いました。
9月23日に本拠地・神戸で行われた試合でこの年、3年連続首位打者に輝いたイチロー選手のサヨナラヒットで2年連続のリーグ優勝を決めました。
日本シリーズでも長嶋茂雄監督率いる巨人を4勝1敗で破って19年ぶりの日本一に輝きました。
歴代監督
しかし、その後は優勝から遠ざかりました。
平成12年(2000年)のオフにイチロー選手が大リーグに移籍してからは、柱を失ったチームは低迷し、度重なる監督交代もあって4位以下のBクラスが続きました。
平成12年以降で3位以上のAクラスに入ったのは、平成20年(2008年)と平成26年(2014年)の2回で、中でも最も優勝に近づいたのが、その平成26年でした。
この年は最多勝に輝いた金子千尋投手(現・弌大)や最優秀中継ぎを獲得した佐藤達也投手、それに最多セーブの平野佳寿投手など強力な投手陣でシーズン序盤から優勝争いを展開しました。
平成26年 負けてうなだれる選手
首位・ソフトバンクにゲーム差なしの2位につけたオリックスは10月2日の直接対決へ。
引き分け以上で優勝へのマジックナンバーが点灯する大一番を迎えましたが、延長10回にソフトバンクにサヨナラ負けを喫し、あと一歩で優勝を逃しました。
その後、Aクラス入りは1回もなく、昨シーズンまで2年連続で最下位に終わるなど、25年間で最下位は9回を数えていました。
祝勝会の福良ゼネラルマネージャーと吉田正尚選手
苦節の道のりに終止符を打った陰の立役者が、25年前の優勝を知る中嶋聡監督と福良淳一ゼネラルマネージャーのコンビです。
福良ゼネラルマネージャーは現役引退後、日本ハムで2軍監督やヘッドコーチを歴任。
当時、日本ハムで選手兼任コーチだったのが現在の中嶋監督でした。
福良氏は令和元年(2019年)に、球団の編成部門のトップのゼネラルマネージャーに就任すると、大型補強に頼らず、若手選手を大きく育てる方針を押し進めました。
そのチーム作りの一環として、当時、日本ハムでコーチを務めていた中嶋氏を2軍監督として招へい。
さらに今シーズン、2年連続最下位に終わったチームの立て直しを託しました。
現場を任された中嶋監督は、若手選手やこれまで実績のなかった選手を積極的に起用しました。
高校卒業2年目の宮城大弥投手を先発ローテーションに、宮城投手と同学年の紅林弘太郎選手を開幕スタメンに抜てきしたほか、7年目の宗佑磨選手を外野からサードにコンバートするなど、チームの刷新を進めました。
投打に新戦力が台頭したオリックスは今シーズン、37年ぶりに11連勝するなど、勢いに乗って悲願のリーグ優勝を果たしました。
(オリ番記者:伊東健)