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いよいよ冬本番 車の運転に注意!

スリップだけじゃない 危険を予測し事故防止へ
  • 2023年11月23日

 

新潟県をはじめ各地でいよいよ本格的な雪のシーズンが始まります。皆さん、冬用タイヤへの交換はお済みでしょうか?きょうはスリップだけではない、冬に車を運転する際に気をつけたいポイントについてお伝えします。(新潟放送局 記者 髙尾果林)

放送した動画はこちら

①「スリップ」「ブラックアイスバーン」に注意!

冬の運転で注意したいのは主に3つ。
「スリップ事故」「スタック」そして「車内での長時間の滞在」です。

「スリップ事故」は積雪や路面の凍結、「わだち」などによって車を制御できなくなり道路の外にはみだしたり、ほかの車に追突したりします。

警察によれば新潟県内では去年(2022年)12月からことし3月までに、あわせて3956件のスリップ事故が起きました。このうち95件が人身事故で1人が亡くなっています。人身事故の半数以上が追突事故で、警察は路面の状況に応じたハンドル操作ができていないことが主な原因だと分析しています。

JAF=日本自動車連盟の実験では、ノーマルタイヤの車が凍結した路面を時速40キロで走るとブレーキがききはじめてから停止するまでの距離は105メートル以上。

スタッドレスタイヤを装着していても78.5メートルになりました。車間距離を十分保たないと停止が間に合わず前の車に追突したり対向車線にはみ出したりするおそれがあります。「スタッドレスタイヤだから大丈夫」と油断しないことが大切です。

運転する際には路面の状況を把握してもらいたいと思います。特に、表面に薄い氷が張った「ブラックアイスバーン」には注意が必要です。次の画像、皆さんは上と下どちらが「ブラックアイスバーン」か分かりますか?

どちらも同じように見えますが。

正解は上です。「ブラックアイスバーン」はぬれたアスファルトと見分けがつきにくいため事故が多発するんです。路面の状況を把握したうえで▼前の車との車間距離をとること▼カーブの手前でスピードを落とすこと、それに▼急ブレーキや急加速をしないことが重要です。

②タイヤが空回り「スタック」に注意!

2つ目は「スタック」です。去年、新潟県長岡市や柏崎市の国道で大規模な立往生が起きましたが、専門家によればこのとき降った雪は重く湿った「ざらめ雪」。車が通って深いわだちができ、タイヤが空回りする「スタック」につながりました。

もし、車が「スタック」して動けなくなった場合は▼小刻みに前進と後退を繰り返し雪を踏み固めながら発進したり▼運転席のフロアマットなどの布をタイヤの下に敷いて発進したりすると抜け出せることがあります。それでも動けない場合は▼ハザードランプをつけて停車し救援を待つ必要があります。

③「車内での長時間の滞在」 一酸化炭素中毒に注意!

そして、車の中で長時間待つ際に注意が必要になるのが一酸化炭素中毒です。去年12月には、大雪で停電が続いていた柏崎市で車内で暖をとっていたとみられる20代の女性が一酸化炭素中毒で亡くなりました。

こちらはマフラーの排気口が雪で塞がれ、排気ガスが車内に入り込む様子を再現した映像です。

一酸化炭素は実際には無色でにおいもないため、気づきにくいんです。

車内にとどまるときはできるだけエンジンを切るかマフラー周辺の雪を取り除くようにしてください。除雪のための道具や防寒着を車に積んでおくことも大切です。冬用タイヤへの早めの交換だけでなく、こうしたポイントも心に留めて運転してもらえたらと思います。

  • 髙尾果林

    新潟放送局 記者

    髙尾果林

    2021年入局。事件・事故や裁判の取材をへて、現在、新潟市政などを担当。

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