被爆から72年。長崎原爆に関するさまざまな知識・情報を夕方のニュース「イブニング長崎」で毎日、お伝えします。

長崎原爆ノート66「長崎大学の被爆者医療」長崎大学医学部の前身の長崎医科大学では、原爆で学生や教職員あわせておよそ900人が犠牲になりました。奇跡的に生き残った医師や医学生たちは、みずからも被爆しながらも、負傷した人たちの救護に奔走し、いまも続く被爆者医療の先駆けとなりました。その後、被爆から数年がたってからも、放射線の影響で白血病やがんを発症する被爆者が相次いだため、長崎大学は昭和37年、被爆者の治療や放射線の人体への影響の研究を目的とした「原爆後障害医療研究施設」を設立。さらに研究体制を充実させ、現在は「原爆後障害医療研究所」になっています。平成15年には、大学病院の中に被爆者の治療に重点を置いた外来部門「国際ヒバクシャ医療センター」を設置し、がんなどに苦しむ被爆者たちの治療を専門的に行っているほか、海外に住む被爆者の健康診断なども行っています。こうした経験をいかし、東京電力福島第一原発事故の際には、専門の医師を福島にいち早く派遣して、住民の健康管理や、放射線の影響に関する住民向けの講演などの活動を進めました。現在は、福島県川内村に、長崎大学の保健師が常駐する拠点を設け、放射線の影響に関する不安を抱える住民を支えようと健康相談などを行っています。
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