長崎・平戸 生月島の旬の魚シイラ ブランド化と絶品料理
- 2023年09月20日
長崎県平戸市の生月島では9月中旬からシイラの水揚げが本格化しています。舘浦漁協ではブランド化した「とよひめシイラ」を出荷。漁の様子や地元のシイラグルメをリポートします。
NHK長崎放送局アナウンサー 長瀬萌々子
シイラを"しいらない"なんて、もったいない!!
漁業が盛んな長崎県。 平戸市ではこれまであまり流通に乗らず、食卓でなじみが少なかった、ある魚が注目されています。それはシイラです。体長は1mほどの大きな魚です。
9月14日(木)、平戸市生月島の舘浦漁港ではシイラの水揚げが行われていました。この日は280匹ほど獲れましたが、10月からが最盛期ということで、これでも少ない方だそうです。
トビウオが大好物 北東の季節風でやってくるシイラ
9月中旬ごろになって北東の風が吹くようなると、平戸市の生月島の近海には、地元で「アゴ」と呼ばれるトビウオがやってきます。そして、トビウオを追いかけるようにシイラもやってきます。そして、生月島の舘浦漁港のあたりで漁場が形成されるそうです。港から500mほどの定置網にかかります。
シイラはトビウオが大好物です。水を切り裂くようなスピードで泳いではトビウオを次々と捕食します。この時期のシイラはトビウオをたくさん食べて、どんどん脂が乗ってくるということです。
シイラは9月中旬から11月上旬にかけて獲れ、多い年には600トンに達します。
見た目がユニークなシイラ
泳ぐシイラは青緑色をしていて、水揚げされたものは少し黄色味をおびています。見た目はとてもユニーク。特にオスはおでこが張り出しています。オスもメスも身体は平べったく、速く泳げそうです。
シイラは一匹あたり7~8kgの重さがあります。持たせてもらいましたが、ズシリと重たかったです。
平戸・生月島の絶品シイラグルメ
そんなシイラですが、国内での出荷先の多くは食べる習慣のある九州です。そこで、平戸市の生月島にある舘浦漁協ではシイラの魅力をもっと広めようと、ブランド化を進めてきました。メスで脂質4%以上のものを「とよひめシイラ」と認定しました。
では、シイラはどんな味なのでしょうか?まずはお刺身。鮮魚店の店主、田渕弘さんにお刺身を用意していただきました。
7~8kgほどあるので、たくさんの刺身がとれます。ブリに似た味ですが、よりあっさりしている印象です。
地元では味噌とわさびで食べるということで、私も試食させていただきました。美味しかったです!
地元の食堂でシイラ料理を提供している古川浩子さんには、他の料理を教えていただきました。
まずはシイラの照り焼き。ブリと同様、照り焼きによく合います。つづいてムニエル。パプリカやトウモロコシが添えられています。ハーブの粉がアクセントになっていて美味しかったです。
古川さんのイチオシはシイラの串刺(さ)し。タマネギとピーマンと一緒にフライにしました。ニンニクが効いていて、思わずビールが飲みたくなる味です。
さらに、九州から遠く離れた東京築地でおいしさが認められ、こんな商品ができました!シイラバーガーです!
シイラの切り身がフライになってバンズに挟まっています。肉厚ふかふかの身から脂がジュワっと出てきて食べ応え抜群!大満足でした。
シイラで盛り上がっている平戸。舘浦漁協の漁師、藤永雅之さんによると、これから季節が進むにつれて、もっともっと脂が乗ってくるということです。
そして、藤永さんたちは今、漁以外にも大忙し。舘浦漁港では2023年11月4日(土) にシイラを味わう食の祭典を開催する予定です。平戸にどうぞお越しください。