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「ねほりんぱほりん」気になる制作の舞台裏を宮崎大学で講演!

  • 2023年06月07日

Eテレで放送していた「ねほりんぱほりん」。
顔出しNGのゲストはブタに、聞き手の山里亮太さんとYOUさんはモグラの人形にふんすることで、「そんなこと聞いちゃっていいの~?」という話を“ねほりはほり”聞き出す新感覚のトークショーです。

その番組制作者が、5月30日に宮崎大学にて特別講義を実施しました。
114名の学生を相手に番組の裏側を紹介しながら、「社会的課題」を伝えることの難しさについて一緒に考えました。

宮崎大学でセミナーを実施!

NHKでは、「ねほりんぱほりん」の制作を担当するディレクターが全国の大学を訪問し、学生に向けて「社会的課題を伝えることの難しさ」をテーマにした講演を開いています。
5月30日は、人権教育に力を入れる宮崎大学で特別講義が開かれ、「養子」の回を担当した山登宏史ディレクターが講師を担当しました。 
大学1年生を中心に114人が参加しました。

なぜ「養子」について取り上げた?制作者が思いを語る

講義では、はじめに「養子」回をみなさんに見てもらいました。

(番組の内容)
日本には、貧困、児童虐待など親が何らかの事情で子どもを育てられない場合、児童相談所などを介して、別の夫婦に託される「特別養子縁組」という制度があります。
放送では、養子と育ての親がどんな道を歩むのかについて、2歳9か月で養子となったある男子高校生が苦悩の日々とそれを乗り越えた今の幸せを赤裸々に語ります。

その後、この回を担当した山登ディレクターが、なぜ「ねほりんぱほりん」で養子について取り上げたのかを説明しました。

当時、NHKの別の番組で「養子」について取り上げたことがあったそうです。 
その放送後にネットで感想を読んでいた山登さんは、ある意見に目が止まりました。

自分は実の親に育てられて良かった

血が繋がっていないと、家族じゃない

このような声は、養子の当事者やその家族を苦しめることになるのではないか。 
山登ディレクターは「特別養親縁組」という制度における課題を意識するようになり、そこから「養子」をテーマにした番組を作れないか考えるようになりました。

その後、山登ディレクターは「ねほりんぱほりん」を担当することとなり、この番組で「養子」を取り上げたいと考え、制作を始めます。

なぜ「ねほりんぱほりん」で取り上げた?

「養子」というテーマで番組を制作する際、 「当事者と同世代の若者たちはあまりNHKを見ない」という大きな壁があると感じていた山登ディレクター。 
「ねほりんぱほりん」なら、この壁を少しは壊すことができるのではないかと考えていました。

「ねほりんぱほりん」では、「ハイスペ婚」や「宝くじ一億円当せん者」など、「NHKが攻めている」とSNSなどで話題になるテーマを放送してきました。
 多くのメディアで取り上げられるなど、注目されていたこの番組で放送することで、ふだんNHKを見ていない人々にも見てもらえているのではないかと考えたのです。
さらに、当事者がMCの2人とトークをする「ねほりんぱほりん」では、視聴者が思わず笑ってしまうような話も出てくるため、“堅い”テーマである「養子」について気軽に見てもらうことができるのではないかという意図がありました。

社会的課題を伝えるために・・・

そして、山登ディレクターが番組を制作するなかで大切にしたのは、エピソード。 
本人だからこそ語ることができるつらかったできごとや、そこから立ち直ったきっかけなど、具体的な体験を丁寧に伝えることで、視聴者も当事者の気持ちを想像しやすくなり、「特別養子縁組」という制度についてより深く理解してもらうことにつながるのではないかと考えました。
その結果、放送後には大きな反響をいただく回となりました。

放送することで、逆に傷つく人は出ないのかなど自問自答しながらも、「養子」について番組を作成した山登ディレクター。 
その制作過程を講義ではお伝えしました!

学生との質疑応答、どう答えた?

実施後には、学生のみなさんの質問にお答えしました。
その質問の一部をご紹介します。
 

学生

時間などの都合で、取材した内容を全部番組で伝えることは出来ないと思います。
その中で、視聴者に伝える工夫や努力を教えてください。

山登
ディレクター

いろんなエピソードを紹介したいので、もう2、3分あったら!と思うことは確かにあります。
一方で、絞って伝えることでむしろわかりやすくなることもあると思っています。

学生

こういう番組を作る際、意識していることはありますか?

山登
ディレクター
 

私たちが暮らしている社会が少しでも良い方向に向かうために、どんなことをどう伝えればいいのか、という自問自答を繰り返して番組を制作するようにしています。

今回講演した山登ディレクターが制作を担当している「ねほりんぱほりん」は、NHKオンデマンドから視聴が可能です。下の画像から是非アクセスしてみてください!

  • 谷本 拓也

    NHK宮崎・開発推進グループ

    谷本 拓也

    宮崎が初任地。
    スポーツ観戦が趣味。

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