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プロ野球ドラフト 家族の夢を叶える 富島高校・日髙投手の挑戦

  • 2022年10月13日

宮崎ゆかりの3選手がプロ志望届を出した今年。夏の宮崎大会を制した富島高校のエース・日髙暖己投手に、ドラフト会議を直前に控えた今の心境やプロを志した原点を聞きました。

ドラフトを前に

9月6日。富島高校の日髙暖己(ひだか・あつみ)投手はドラフトを2週間後に控え、学校のグラウンドで後輩に混ざって練習していました。

今の心境を聞いてみると、「ドラフトはずっと考えていたが、まだ日にちがあるので緊張はないです。当日は縁があれば選ばれたいなと思います」と答えました。

日髙投手は、ことし夏の宮崎大会で最速148キロの力強い速球と落差のあるフォークを武器に、5試合をほぼ1人で投げ抜き、防御率は驚異の0点台。チームを甲子園に導いた県内ナンバー1右腕です。さらに甲子園で準優勝した下関国際を相手に9つの三振を奪う力投を見せました。

その日髙投手、大事にしている言葉を共に戦ったグラブに刺繍しています。『叶』という文字。「兄が目指していたけどなれなかったプロ野球選手に代わりに叶えるという意味で大事にしています」と語りました。

目標だった2人の兄

日髙投手は小学1年生の時にソフトボールを始めました。それ以来、2人の兄の背中を追って中学、高校と野球に取り組んできました。長男の諒夏(りょうか)さんと次男の冬暉(とうき)さんの2人も富島高校野球部の出身です。それぞれ自分のユニフォームを着てもらいました。

兄たちには末っ子の日髙投手がどう見えているのか?伺いました。

諒夏さん

大げさに言うと赤ちゃんみたい(笑)。6個も下ですからね。

一方、次男の冬暉さんは、

冬暉さん

この前一緒にキャッチボールしたんですけれども、ボールの伸びやらも全然違くてですね、成長もびっくりしたっすね本当に。それより前のキャッチボールは中2とか中1ぐらいなので、本当にびっくりしました。

諒夏さんと冬暉さんはプロを目指してプレーしていましたが、断念。日髙投手が代わって2人の夢を叶えようとしています。

諒夏さん

プレッシャーとかもいろいろあると思うんすけど、とりあえず選んだ道を頑張ってほしいと、ただそれだけのことやと思ってます。

冬暉さん

1番はプロで活躍してほしいですね、もうそれだけです。楽しくやってくれれば自分は嬉しいですね

息子を見守る母の姿

日髙投手の成長を語る上で、もう1人欠かせない人がいます。母のリカさんです。長男の諒夏さんから末っ子の日髙投手まで、野球やソフトボールをする子どもたちの体づくりを支えてきました。ご飯を多いときには朝一升炊いて、夜も8合炊いていたそうです。日髙投手も「朝早くから弁当を作ったりして夜遅くまで家事してるのを知っていたので感謝しています」と話します。

そして、日高投手にはもう1つ感謝していることがあります。それがこちらのカメラ。母・リカさんが日髙投手の成長を収めてきました。

リカさん

カメラから見るのが1番近く感じるので、ずっとカメラ見ながら撮ってる感じがします。マウンドの上では、多分負けん気の強さが出るんでしょうね、自分がマウンドに立ってやらなきゃいけないという責任感とかっていうのもあるのか、ちょっと空気が変わります。

夏の大会では全試合を撮影したというリカさん。チームメートの活躍なども含め、多い時は1試合で900枚ほどに上りました。撮った写真は、日髙投手がフォームのチェックに使うことも。これからも雄姿を写真に収め続けたいと話します。

(プロになったら)観戦にいくハードルがあがると思いますけど、行ける範囲は行きたいなと思ってますね。1回ごとに成長していく姿を見れるのが見てて面白いなと感じてます。

現在は体作りやフォームの向上に取り組む日髙投手。家族の支えを背に20日のドラフト会議での吉報を待ちます。

日髙 暖己投手
家族の夢がプロ野球選手だったので、最後僕が1番下なので代わりに叶えたい。親がずっと支えてくれたり、兄たちもずっと応援してくれていたので、これまでやってきたことを信じて待ちたいなと思います。

今回の取材には登場しませんでしたが、日髙投手にはお姉さんもいて4人きょうだいの末っ子なんです。家族が日髙投手を見ている目が温かく、和気あいあいとした笑いの絶えないご家庭でした。家族の夢が叶えられることを期待したいと思います。

このほか、宮崎ゆかりの選手では、宮崎日大高校のキャプテンを務めた日髙 響太選手と、日南学園出身で明治大学の蓑尾 海斗選手の2人のキャッチャーがプロ志望届を提出しています。注目のドラフト会議は今月20日に行われます。

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