各地の海の名産が幻に!?【インスタ画像でわかりやすく解説】
函館のイカに、岩手のさけ。
各地の名産の水揚げが激減しています。
原因のひとつが年々忍び寄る海の温暖化。
魚の生息域に温暖化が影響を及ぼしている可能性が指摘されるなか、どんな魚がとれなくなってきているのでしょうか。
(NHK「クローズアップ現代」より)
※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。
各地の海の名産が幻に!? あの魚はどうなってる?
いま「名産」がとれない状態に…
気候変動の影響で海水温が上昇。2022年7月の海水温をみると、過去30年の平均値と比べ2~4℃高い部分も。魚はみずから体温調節できず、海水1℃の変化が人間の5~10℃の変化に該当するとの指摘も。魚は適した水温の場所に移動する性質があり、生息する場所を変えていると見られているのです。
「新たな名産」が誕生も。名産と言われてきて、とれなくなってきている魚。逆になじみのなかった魚が全国各地でとれ始めています。
あなたの住んでいるところでとれなくなった魚、とれるようになった魚はありますか?
また、なじみのなかった魚をおいしく食べる方法についても、ぜひ、コメント欄で教えてください!
名産のイカが激減する一方で 南の魚・ブリが激増!
日本屈指のスルメイカの産地・函館。夏の最盛期には一晩でスルメイカが1トン近く取れていましたが、今は10分の1以下に。漁師からは、“海がおかしい。海だけど海でない”との声も。
スルメイカが激減する一方、北海道に現れたのがブリ。いままで漁獲量トップを争っていた長崎県や島根県を抜き、2年前にトップに。
函館であがるブリの多くが6キロ以下の小さなもの。冬の脂がのる前に回遊してくるので、市場では買い叩かれてしまうのです。
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漁師
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「(氷見の寒ブリなどは)最盛期になれば、1キロ1万円するけど、こっちは1キロ400円や500円といった感じ」
スルメイカからブリへと、とれる魚が変わってきた函館。イカのくん製を作ってきたスルメイカの加工会社では機械と技術を生かし、ブリのくん製の製造を始めています。しかし、食文化は長い年月を培われてきたものであり、簡単には消費者に受け入れられない現実も…。
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NPO法人里海づくり研究会議 事務局長 田中文裕さん
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「知らないから食べないということではなく、新しい魚を食べることで新しい名産品が生まれたり、地元の漁業を守っていくことにつながる可能性がある」
サバの大移動でサケが激減!? 名産サケを復活させる秘策とは
名産のサケが10年前の1/20に激減している岩手県。毎年、春ごろにサケの稚魚を放流していますが、同じ時期に隣の宮城県では10年前の1,000倍ものサバが取れるようになりました。サケの激減がサバに原因があるのではないかと、研究者が調べると―
放流したサケの稚魚がサバに食べられていることがわかりました。さらに、サケの稚魚は餌である動物プランクトンを食べながら北上していくものの、動物プランクトンがサケのところまでおりて来ておらず、餌にありつけていませんでした。
試行錯誤を重ね、稚魚を2グラム以上に育てることに。そのため餌をたくさん食べられるような工夫をしたり、流れの速い水路で泳ぐ力のトレーニングも。2022年の春、稚魚が放流されました。成果が出るのは4年後です。
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