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アボカドが環境破壊の原因に!?【インスタ画像でわかりやすく解説】

世界的にも“最も消費が急拡大している果物”と言われるくらいのブームが起きているアボカド。

いまやアボカドは日本での輸入量は10年で約2倍になっています。

ブームになっているアボカドの知られざる物語をお伝えします。

(NHK「国際報道2022」より)

※サムネイルの画像を矢印に沿ってスワイプすると、インスタグラム「地球のミライ」で投稿した画像の続きを見ることができます。

世界で最も“消費急拡大” アボカドが環境破壊の原因に!?

健康的な食生活を求める先進国を中心に一気に急速に消費が拡大しているのがアボカドです。この10年で世界のアボカドの輸入額は4倍以上になりました。日本も多く輸入しています。

アボカドの最大の生産地、メキシコ。輸出用アボカドの大部分を作っている中西部を訪れました。産業がなく「極貧」地域とされていたミチョアカン州。アボカドが高値で売れるようになると農園で働く労働者だけでなく、こん包や運送など多くの雇用が生まれました。

30年にわたりアボカドを育ててきた農家のグスマンさん。 収入は大幅に増加。 念願の一軒家も購入できました。

農家 グスマンさん

「たとえ小さな農家であっても十分な食事を食べて子どもたちを学校に通わせられるようになりました。こんな状況を自分の目で見られるとは思ってもいなかった」

アボカド栽培の急拡大で、ミチョアカン州のトウモロコシ畑はアボカド畑に変わりました。自然林を違法に切り開いてアボカド畑にする人たちも出てきたのです。年間、東京ドーム約2,300個分の森林が伐採されたとの試算も。
大量の水を使うアボカド栽培。井戸や小川などから違法に水をくみ上げて各地にため池を作るという事態も発生。飲み水が不足する地域も出始めています。住民からは―

住民

「ポンプで水をくみ上げてしまうので川の源流が枯れた。飲み水も家畜用の水も不足している」

東京大学大学院准教授 斎藤幸平さん(経済思想)

「『健康な暮らしをしたい、安くおいしいものを食べたい』という私たちの理想の生活を実現する条件の中に、地球環境の破壊や人々の搾取が織り込まれてしまっている現実があります。構造を変えていくためには、私たちは身近な食品の“不都合な真実”を直視しなくてはいけません」

“環境負荷の少ないアボカドを” 問題解決に取り組む日本人

世界最大のアボカドの生産地メキシコ。栽培地の拡大に伴い、森林の違法伐採など環境破壊が起きています。こうしたことを問題視し、「環境負荷の少ないアボカド」を独自のルートで仕入れている人がいます。アボカドの輸入を手がける川井篤士さんです。

川井さんは農園主と「農園面積の60%を森林として保全する」「栽培に雨水以外を使用しない」など独自の環境基準を設定。現地に何度も足を運び、250あまりの農園と契約しました。

川井篤士さん

「現地で環境問題に取り組もうとしている。若い世代の農園主が多くいることもわかりました」

SDGsの達成を掲げる川井さんに賛同する取引先は増え、今では高級ホテルやレストランなど30件以上が川井さんのアボカドを使うようになっています。

川井篤士さん

「お客さんにSDGs的な視点で訴求力を出せることは何かと考えたときに、テーマの1つとしてあったのが環境でした。そういう要素をしっかり組み込んで差別化していくことが大事なのではないかと思います」

EUでは「FarmtoFork(農場から食卓まで)」という政策が掲げられるようになりました。

「FarmtoFork(農場から食卓まで)」

大量に輸入・廃棄するのではなく、顔の見える生産者から適正な量で輸入することで、環境問題を別の国に押しつけるのを防ごうという取り組み。

私たち自身も「適正な量を食べる」というスタイルに変えていく必要があります。自分が手に取るアボカドに、思いをはせてみませんか?

インスタグラムでも画像を公開中

インスタグラム「地球のミライ」では、環境問題や気候変動のほかSDGsの達成に向け、いま課題になっていることを写真やグラフィックで紹介しています。こちらも合わせてご覧ください。
インスタグラム「地球のミライ」※NHKサイトを離れます

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