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プラスチックを服にリサイクル『サステイナブルファッション』最前線

リサイクルにエコ、エシカルなどサステナビリティを考慮したファッションの展示会が、4月に都内で開催されました。世界中から最新の製品や素材が出展されていました。その中から『ペットボトルから服などを作るサービス』や『古着から再生された服』など、最新技術によって生まれたサステイナブルファッションについてご紹介します。
(「地球のミライ」取材班)

『使用済みペットボトル』が新品の服に再生

スポーツウェアにユニフォーム、カラフルなシューズ…、これらの製品の使われているのは、使用済みペットボトルなどからつくられた生地です。大手素材メーカーが独自の技術によって、ペットボトルや衣料、繊維くずなどのプラスチックをリサイクル・加工、繊維として再生しました。

このメーカーによると、繊維の形や太さを加工する技術も進み、リサイクルした原料で『超極細繊維』も作れるようになったといいます。また加工方法を工夫することで、吸汗・速乾性や保温性、UVカットなどの、さまざまな機能をもたせることも可能になったそうです。

この企業ではサッカーJリーグの「FC東京」「ガンバ大阪」のスタジアムや、「阪神甲子園球場」などに、プラスチックの回収場所を設置。それをリサイクルしてつくったグッズを販売しています。

リサイクルしていることを多くの人が目に触れるよう、「見える化」するための取り組みだということです。

帝人フロンティア株式会社 村田 真結子さん

「2020年3月までに累計50万トンのリサイクル繊維を生産しました。これはペットボトルに換算すると250億本、 Tシャツに換算すると25億枚に相当します。(2020年時点)これからも不要なものを再資源化していきたいと思います」

古着のポリエステルを『再生』する

一方、サステイナブルファッションの展示会に出品されていた、こちらのTシャツはすべて『古着』からつくられたものです。

この服をつくったのは、様々な製品のリサイクルを手掛けている会社。古着の繊維を分解し、使われていた『ポリエステル』を抽出。さらにそれを元に『再生ポリエステル』を製造する技術を開発しました。

このジーンズも再生ポリエステル100%

実は世界で毎年生産される繊維のうち5割以上をポリエステルが占めています(日本化学繊維協会調べ・2018年3月)。
そのポリエステルを”原料に戻す”技術を開発したことで、何度もリサイクルすることが可能になったそうです。

1回のイベントで3トンの服が集まることも

原料となる古着はショッピングセンターやファストファッションの店舗など、全国3500か所で回収しています(2022年4月時点)。Tシャツや上着・パンツなど、ここ数年は毎年50トンの古着があつまっています。

回収された洋服

ファッション業界は国連から、世界第2位の『環境汚染産業』と批判されています。
日本の家庭から焼却・埋め立てされる服は年間約48万トンで、1日あたりにすると大型トラック約130台分になります(環境省より)。
この会社では、新しい技術によってこうした状況を改善していきたいとしています。

日本環境設計 高杉賢治さん

「何度でも服から服を作ることができます。リサイクルというとどうしても世間のイメージが悪いのでそうした部分を払拭(ふっしょく)できるようにしていきたいです」

今回は、最新のサステイナブルファッションとそれを支える新技術についてご紹介しました。
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