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群馬 外国人が日本の歌で競うカラオケW杯 国籍越える友情も

  • 2022年08月11日

「ほっとぐんま630」で今年度からお伝えしているコーナー「ワールドわいどGunma」。多く外国人が暮らす群馬県で、共に生きる人たちの姿や取り組みを掘り下げていきます。

今回は、前橋市で行われた「カラオケワールドカップ」に注目しました。県内在住の外国人が日本の歌で歌唱力などを競う大会なんですが、このイベントがきっかけで国籍を越えた友情が生まれていました。

(前橋放送局ディレクター 杉山裕美/2022年7月取材)

11か国21組 日本の歌でつながる

インドネシア出身。

こちらはスリランカ。

そしてブラジル人のグループ。

前橋市で開かれたカラオケワールドカップです。県内に住む11か国21組の外国人が日本の歌を披露しました。

そのなかで唯一、異なる国から参加した2人組がいました。

オドさん

「モンゴルから来ました」

マイさん

「ベトナムからきました。よろしくお願いします」

この2人、前橋市内の日本語学校に通う留学生です。

ベトナムとモンゴル カラオケでつながった

日本のアニメや歌が大好きだというベトナム人のマイさん。日本での暮らしに憧れ、留学を決めました。

ベトナム出身 マイさん
「アーニャが大好きです。(このコスプレは)禰豆子です。アルバイトと勉強することは一番大切だと思っているけど、したいこともあります。日本でみんなの前で歌ってみたい」

1人では恥ずかしいと思ったマイさんはクラスメイトに声を掛けました。

「カラオケ大会に一緒に参加しますか?」

「はい、いいよ」

「OKありがとう~」

応えてくれたのがモンゴル人のオドさん。同じクラスですがカラオケワールドカップがきっかけで初めて話をしました。

音が…合わない

伝統楽器の馬頭琴を前橋にも持ってきているオドさん。

「モンゴル人に必要なものの一つですね」

演奏が得意だということで、伴奏として参加することにしました。選曲はSNSで流行したサマータイム。ただ、馬頭琴での弾き方がインターネットでは見つかりません。

そこで…

「今回はウクレレを使って参加します」

ネットにアップされている動画などをもとに自己流の楽譜を作成しました。

モンゴル出身 オドさん
「YouTubeにあるものを自分でわかるように、ローマ字を使って調(コード)を上に書いて、写しています」

準備を整え2人で練習を始めますが…?

あれ…?息が合いません。

特訓、特訓、特訓…しかない

そこで猛特訓。やりとりは日本語です。出身が違う2人の共通言語だからです。

本番に向けて3週間。学校の空き教室や…。

カラオケボックスで練習を続けました。

本番 自信たっぷりだったけど

そして向かえた本番当日。

リハーサルでは歌と伴奏が合うようになりました。

マイさん
「楽しみなのと・・・元気に、自信をもって歌います。笑顔で!」

オドさん
「私はマイさんに合わせて弾きます。100%合います!」

自信をもってステージに向かった2人。

ところが、最初から…合いません。

会場から飛んだかけ声に励まされ歌い続けます。

ステージに立って緊張してしまったという2人ですが、最後まで駆け抜けました。

マイさん
「緊張した。歌詞は間違えなかったのでうれしかったです」

オドさん
「初めて出たから自分のウクレレの音が聞こえなかった・・・」

共に日本語を学ぶ2人に音楽を通して友情が生まれました。

マイさん
「音楽にとって国は関係ないです。日本語と音楽を通じて、友達はできる・・・できるように・・・。なりたいです!」

今回は、残念ながら今回はリズムは合わなかった2人ですが「また2人で次の大会を目指したい」と話していました。乞うご期待です!

  • 杉山裕美

    前橋放送局ディレクター

    杉山裕美

    2020年入局。営業部門を経て、この夏からディレクター。県内に多く暮らす外国人の取材やツイッター発信など取り組む業務は多岐。

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