小さな旅のしおり

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ひだまりの岬で ~神奈川県 三浦市~

投稿時間:2017年1月22日 08:24 | 投稿者: | 

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神奈川県の南部、太平洋に突き出た三浦半島。三方を海に囲まれた温暖なこの地には、海からはマグロ、畑からは大根と、食のめぐみがあふれています。全国有数のマグロの水揚げを誇る港で、日々マグロを見極める仲買人。漁師の大漁や町の繁栄を願う大漁旗をつくりつづける染め物職人。地元のマグロから肥料をつくって、伝統の三浦大根の栽培に励む農家の親子。海と半島の大地がもたらす恵みとともに暮らす人々を訪ねる旅です。


今回の放送内容

miura1.jpg三浦半島の南端にある三崎港は、全国有数の遠洋漁業の基地として知られています。港の一角にある卸売市場には、太平洋から大西洋、インド洋まで、世界中のマグロが集まります。多い日には900本ものマグロが並ぶ場内で、マグロを競り落とす仲買人たち。彼らは切られた尻尾の断面だけを見て、肉質や色、脂ののりなどを見極め、見合う値段を決めて入札します。いかにギリギリの値付けをするか。仲買人の目利きが問われます。


miura2.jpg漁師町として栄えたこの地域で、お祝い事には欠かせないのが「大漁旗」。新しい船が造られると、大漁や安全を願って友人や親戚から多くの旗が贈られます。大漁旗を作る染物店では、創業時から180年以上変わらない、手作業の技が受け継がれています。子どもの誕生や結婚、節句など、旗が贈られるお祝い事はさまざま。さらに、地元の小学校では卒業制作で大漁旗がつくられるなど、漁師町としての文化が受け継がれています。


miura3.jpg港を背にして丘へ上がると、一面に畑が広がります。冬でも温かい気候と、水はけの良い火山灰土によって育まれるのが、三浦名物の大根です。なかでも、大正時代から栽培される伝統の三浦大根。身が太く煮崩れしにくい特徴を持ち、甘みと辛みが際立ちます。農家の川島義徳さんは、この大根の栽培にマグロを使っています。加工場で出た削りくずをもらい、肥料化しているのです。海と土がつくりだす、三崎ならではの恵みです。


旅人・山本哲也アナウンサーより

miura-yamamoto.jpg三崎というとなんといってもマグロ。仲買人の宇田川さんは、あのアルフィーのボーカルを思い出せる風貌に、マグロ選びの繊細さと競りでの大胆さとが相まったとても存在感のあるマグロのプロ、大漁旗作りの三冨さんは柔らかい物腰でみんなの幸せを祈って染め上げていく一途な職人さん、三浦大根を作る川島さん一家は会話の絶えない底抜けに明るい、育てられる大根も喜んでいそうな家族、とにかくみなさん笑顔あふれる人たちばかり。三崎はこうい人たちに支えられると思うとこちらまでうれしくなりました。「大根がマグロを食べている」とにわかには信じがたいからくりにはびっくり。眠い目をこすりながら三崎の朝市に出かけるも良し。飽きない、また行きたくなる街でした。マグロ漬け丼美味!


三浦市三崎地区へのアクセス

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〈電車・バス〉
京急本線「横浜」駅→「三崎口」駅(約1時間)→京浜急行バス「三崎港」下車(約15分)

〈車〉
横須賀方面から国道134号線→国道26号線


問い合わせ先

▼三崎朝市について
三崎朝市協同組合 046-881-4488
(※朝市の営業は毎週日曜日 午前5時~9時)

▼卸売市場の見学について
三浦市三崎水産物地方卸売市場 046-882-1111
(※一般の方の見学は2階から)

▼その他、三浦市の観光情報について
三浦市観光協会 046-888-0588


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